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常緑樹と落葉樹

「高校生のための生き物学習」の4回目です。
高校の「生物」や「生物基礎」の学習に役立つお話を、私の撮った写真とともに紹介していきます。

兵庫県の平地は南部も北部も照葉樹林帯に属します。
照葉樹林とは、温帯の常緑広葉樹を中心とした林のことです。
でも、山を見ると、クヌギやコナラなどの落葉広葉樹やスギやヒノキの針葉樹がいっぱいです。
それは、これらの林がすべて人の手が加わった雑木林や植林だからです。
本来の照葉樹林が何とか残っているのは、お寺やお宮の裏の社寺林です。
そこによく生育しているのがタブノキ、スダジイ、アラカシ、クスノキなどの常緑広葉樹の高木です。
↓これは、Y高校の駐車場の脇にあるクスノキです。
根元にたくさんの葉っぱが落ちています。常緑樹のはずなのになぜでしょう?

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実は、葉っぱを落とさない樹木というのはありません。いつか必ず葉っぱは落ちるのです。
葉っぱには寿命があって、それが数週間という植物もあれば、20年という植物もあるそうです。
ふつう落葉樹は半年くらい、常緑樹は2・3年のものが多いようです。
クスノキの葉っぱの寿命は常緑樹の中では短くて、1年と10日くらいです。
4月下旬~5月上旬のちょうどこの時期、たくさんの葉っぱが落ちます。

IMG_8267.jpg

いま、クスノキの枝についている葉っぱを見ると、紅葉したものも新緑のものも見られます。
紅葉しているものはもうすぐ落ちる葉っぱ、新緑のものは生まれたての葉っぱです。
つまり、常緑樹と落葉樹は、1枚の葉っぱに注目するのではなくて、木全体を見て区別します。
1年中緑色の葉っぱがあれば常緑樹、緑色の葉っぱがない時期があれば落葉樹なのです。

IMG_8272.jpg

環境条件さえよければ、樹木は常に葉を広げ、光合成をしていたほうがいいはずです。
ところが、乾燥してしまうとか、寒さが厳しいとか、環境条件が悪いときがあります。
そんなとき、細胞層が薄くて面積の広い葉っぱは大きなダメージを受けます。
そこで、樹木本体を守るために、葉っぱを捨てて生き残りを図ります。
熱帯の雨季と乾季が半々くらいの地域では、水不足の乾季を乗り越えるために落葉します。
このような森林を雨季だけ葉っぱをつけるので雨緑樹林といいます。
また、東北地方のように冷温帯の冬の寒さの厳しい地域では、冬季に落葉します。
このような森林を夏緑樹林といいます。

IMG_8297.jpg

いま、冬を乗り越えた雑木林の落葉広葉樹がいっせいに新しい葉っぱを広げています。
葉っぱの細胞中のクロロフィルの量がまだ少ないので、若々しい黄緑色をしています。
これから葉緑体の数も増え、クロロフィルの量が増えて、日に日に緑色が濃くなっていきます。

では、きょうの問題です。かなり難問です。
 低緯度の地域では常緑樹が中心で、中緯度になると落葉樹が多くなりますが、高緯度になるとまた常緑樹が中心になります。日本の平地でいうと、九州~関東地方は常緑樹、東北地方~北海道西部は落葉樹が中心ですが、北海道東部では常緑樹が多くなります。低緯度でも高緯度でも常緑なのはなぜでしょうか?
 なお、この問題には決まった正解はありません。いろんな学者さんがいろんな説を述べておられます。多くの人を納得させる自分なりの答えを考えてみてください。

昨日の問題の答え・・・カラスノエンドウは自家受粉をします。花が開く前、つぼみの中で雄しべの葯から花粉が放出され、雌しべの柱頭につきます。したがって、受粉を昆虫にも風にも頼りません。畑のエンドウも自家受粉をします。だからメンデルが遺伝の実験材料に選びました。特に交雑をしたいときだけ、人工的に受粉させます。

クスノキにはダニとの間で面白い関係があります。明日はそのお話をしましょう。

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コメント

Re: タイトルなし

>みみさん
おはようございます。コメントありがとうございます。          
すみません。わかりやすい文を心がけます。
いい答えだと思います。余裕があるかどうかってことですね^^

こんばんは(*^^*)
今日は講義も難しくて、頭がこんがらがっています(>_<)(笑)

クイズは~推論でいいのなら、
低緯度の常緑樹は、低温の被害が少ないので、葉を落とす必要がなく、高緯度の寒冷地では、葉を落としてしまったら、新芽を出してる暇がないので(笑)針葉樹のタイプの常緑樹で、寒さに耐えてるんじゃないでしょうかぁ~
答えが楽しみです~(*^^*)

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丹馬

Author:丹馬
落語と授業の合い間に生き物を中心とした写真を撮っています。
兵庫県の北部・中部がおもなフィールドです。

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