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楠の作戦

きょうの授業は、日本のバイオームの学習。
照葉樹林の代表的な樹木に関連させて、クスノキ(楠、樟)のダニ室の話をしました。

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中庭のクスノキの枝を教室に持ち込んで、生徒にクスノキの葉っぱをそれぞれ手に取ってもらいます。

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まずは葉っぱのスケッチ。葉のふちにはギザギザがなく、なめらかです。
葉脈は主脈が3本の「三行脈」です。
その3本の主脈が分かれるところにポチッと小さなコブのようなものがあることに気づきます。
これが「ダニ室」。・・・と言った途端に、葉っぱを投げ出す生徒も・・・^^
心配無用です。↓葉っぱの表面をアップしてみます。

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葉脈が枝分かれするところに2つ、ダニ室があります。
このダニ室の中に小さなフシダニが棲んでいて、葉っぱの汁を吸って生きています。
フシダニの大きさは約0.2mm。肉眼で見える限界、ゾウリムシくらいの大きさです。
ダニ室は、ダニが作ったものではなくて、クスノキが作ったものです。
ダニ室の中には数十匹のフシダニが棲んでいて、増殖するとダニ室からあふれ出てきます。
あふれ出たフシダニを食べに、ちょっと大きい肉食性のカブリダニがやって来ます。
カブリダニの大きさは約0.4mm。ダニ室の中には入れません。
カブリダニは、葉っぱに害をもたらす他のダニたちも食べてくれます。
つまり、クスノキは、餌となるフシダニを繁殖させてカブリダニを誘き寄せ、葉っぱに害を与えるダニから自分を守っていると考えられます。
何という強かな戦略でしょう。

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↑クスノキの葉っぱの裏面です。ダニ室に通じる穴があります。
この穴は秋になると閉じられ、フシダニが外へ出られなくなります。
常緑樹といえども葉っぱには寿命があり、5月頃、クスノキは葉っぱを落とします。
したがって、ダニ室はフシダニを一網打尽にして落葉とともに捨て去るためのトラップのようなもの・・・という説もあります。
葉っぱの上で繰り広げられるドラマ。面白いです。

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丹馬

Author:丹馬
落語と授業の合い間に生き物を中心とした写真を撮っています。
兵庫県の北部・中部がおもなフィールドです。

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