裏見草の知恵
- 2020/09/01
- 21:00
きょうから9月。そろそろ涼しくなってもいいのに、まだ猛暑日が続いています。
せめて気分だけでも秋に!ということで、きょうは秋の七草の1つ、クズ(葛)です。
クズ(葛)の別名をウラミグサといいます。
昔はさまざまな用途でお世話になったクズですが、現代は完全に雑草扱い。
そんな扱いを恨んで「恨み草」・・・ではなくて、「裏見草」です。きょうは、花ではなくて葉っぱに注目です。

↑これは朝6時のクズの葉っぱ。一方、↓こちらは6時間後(正午頃)の同じクズの葉っぱです。
クズの葉っぱは3枚の小葉が1セットになっています。この葉っぱのつく角度に注目してください。
朝は葉っぱを平たく開いていたのに、昼間は葉っぱの表面を合わせるように閉じています。
つまり、葉っぱの裏側が見えるのです。だから、裏見草。
これは、猛暑に対するクズの対策なのです。
一般に、光合成の最適温度は25℃くらいです。
35℃にもなると、植物たちの酵素もはたらきにくくなり、光合成の効率が落ちてしまいます。
そこで、角度を変え、葉っぱの温度が上がり過ぎないように調節をしているのです。
「クズの昼寝」と言われるのですが、けっして休んでいるわけではありません。
葉っぱを開いているときよりも、むしろ盛んに光合成ができているのです。
しかも、葉っぱの間に隠れていた花が現れるというしくみになっています。
花はブドウジュースのようないい香りを放って昆虫たちを招きます。
葉っぱの開閉の調節をしているのは、葉っぱの基部にあるちょっと膨らんだところ。
葉枕(ようちん)と呼ばれる部分です。
この部分の細胞の膨圧を変化させることで、葉を閉じたり開いたりしています。
クズは強過ぎる陽射しを避け、猛暑を乗り切る知恵をもっているのです。
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