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蜻蛉のハート形

豊岡市野上のビオトープで見つけたオオイトトンボ(大糸蜻蛉)です。

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兵庫県のレッドリストでCランクからBランクに引き上げられた、ちょっとレアなトンボです。
イトトンボの仲間はよく似たものが多くて区別が難しいのですが、複眼の後ろの-の斑点が特徴です。
青色のからだと緑色の複眼が美しいトンボです。
オオとついていますが、けっして大きくはありません。
シオカラトンボなどと比べると小さくて細くて、いったん目をそらすと見失ってしまうくらいです。

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交尾中のペアです。左側の青色が雄、右側の緑色が雌です(青色タイプの雌もいます)。
雄は尾部の先端で雌の首根っこをつかみます。雌を他の雄にとられないようにするためです。
基本的にトンボの雌は複数の雄と交尾し、最後に交尾をした雄の精子が受精する率が高くなります。
だから、トンボの雄は雌の産卵を見張っていたりします。

イトトンボの場合、雄は尾部の先端で雌の首根っこをつかんだまま、産卵中も離しません。
ところが、雄の生殖器はその尾部の先端にあって、そこで精子をつくります。
そこで、雄は、交尾の前に腹部の副生殖器の貯精のうに精子を移動させておきます。
首根っこをつかまれた雌は、尾部の先端を雄の副生殖器に当てて精子を受け取ります。

IMG_5389.jpg

・・・というわけで、トンボのハート形ができあがります。
つまり、トンボのハート形は雌の浮気を防止するための雄の戦略の結果なのです^^

首根っこをつかまれたまま産卵する雌を気の毒に思われるかもしれませんが、そうではありません。
雌を簡単に離してしまう雄よりも、何があってもガッチリつかまえている雄の遺伝子を受け取ったほうが、雌の遺伝子もまた残りやすいということになるのです。

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コメント

Re: No title

> みみさん、こんばんは。
何となくホロッとする光景です。

Re: No title

> さゆさん、こんばんは。
ありがとうございます。
実は、イトトンボが止まっているコナギの葉っぱもハート形なんです。

No title

おはようございます。
命を繋ぐ行為が、ハート型に、これもまた素敵な事ですね。

No title

こんばんは~
このハートは見たことあります~(#^.^#)
強い子が生まれますように~(^^)/

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丹馬

Author:丹馬
落語と授業の合い間に生き物を中心とした写真を撮っています。
兵庫県の北部・中部がおもなフィールドです。

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