早乙女花
- 2020/08/28
- 21:00
ヘクソカズラ(屁糞葛)が防獣ネットに絡みついて、花を咲かせ、もう果実になっているものあります。
それにしても、ヘクソカズラとは・・・。インパクトのある名前です。
調べたら、英語では「skank vine(スカンクの蔓)」というのだそうです。
中国語では「鶏屎藤(けいしとう)」。いずれにしても臭いということからの命名です。
葉っぱをつぶすと匂うというので、葉を食べる虫に対する防御に役立っているのでしょう。
どれくらい臭いのでしょうか?
恐るおそる葉を揉みつぶして匂いを嗅いでみましたが、名前ほどの匂いはありません。
青臭い匂いはありますが、強烈な悪臭というのは僕には感じられませんでした。
なぜなのでしょう? 個体による? 季節による? 僕が鈍感? よくわかりません。
別名、ヤイトバナ(灸花)。花を伏せた形がお灸に似ていて、赤紫色の部分を火に見立てたものです。
さらに、サオトメバナ(早乙女花)という別名もあります。
花を早乙女がかぶる笠に見立てたものです。
紺の単衣に赤い帯、菅笠をかぶったそろいの姿で田植えをする娘さんたちを想像してみてください。
正式和名がサオトメバナだったら、ずいぶん印象が変わったかもしれません。
試しに、以下、早乙女花と表記してみます。
早乙女花の中を覗くと、内部はたくさんの白い毛で覆われています。
これは蜜を盗みにくるアリを寄せつけないためのものだそうです。
そう言えば、早乙女花の蔓にはアリがよくウロチョロしています。
↑この花の中にチラッと見えるひも状のものは雌しべの一部です。
早乙女花の内部がどうなっているのか、花を縦に切って断面を見てみました。
筒状の花は内部まで赤紫色で、雄しべが5本、雌しべが1本ありました。
雌しべは基部で2つに分かれ、花柱は2本です。先端はクルリと巻いています。
蜜腺までは長いので、早乙女花のポリネーターはチョウやガの仲間だと思います。
セセリチョウの仲間が訪花しているのをときどき見かけます。
昨年、ホシホウジャクが吸蜜しているところを撮りました(お時間があれば→こちらをどうぞ)。
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