篠山城バス
- 2020/08/25
- 21:00
「ささやまじょうばす」というのは、篠山城の周りを走る観光バスのことではありません。
篠山城址の南堀のハス(蓮)のことです。ここだけの固有種です。
以前は、南堀の全面が淡いピンク色のこのハスで埋め尽くされていました。
僕は昔、この風景を見ながら自転車で高校に通ったものです。
賑やかなデカンショ祭りと落ち着いたハスの堀が「動」と「静」で、対称的でした。
たくさんの雄しべの鮮やかな黄色と、花びらの優しい淡いピンク色がいい組み合わせです。
ところが、いまから15年前、この堀からハスが突然姿を消しました。
ハスが見られないことには気づいていましたが、その原因をつい最近まで知りませんでした。
新聞記事によると、原因はミシシッピアカミミガメによる食害なのだそうです。
丹波篠山市や神戸大学などでつくる「外来生物対策協議会」がミシシッピアカミミガメの駆除を行ったり、地元の小学生が固有種のハスを植栽したりして、やっと昨年、ハスの花が復活しました。
そして、今年はその面積を拡大させ、南堀の5分の1くらいを占めるようになっています。
コマルハナバチが大きな花粉団子をぶら下げて、ハスの花を次々に訪れていました。
ミシシッピアカミミガメは、ミドリガメとして販売されている北米産のカメです。
小さいときは可愛いのですが、大きくなると飼うのを放棄して川に逃がす人がいます。
そのため、日本の河川で殖え、在来のイシガメなどを駆逐し、植物にも被害を及ぼしています。
環境省は5年前から2020年を目途にミシシッピアカミミガメを特定外来生物に指定することを検討しているはずですが、まだ結論は出ていないのでしょうか?
早急に輸入禁止、販売禁止等の決定をして欲しいと思います。
同時に、いま飼っている人たちには絶対に川に放さないようにお願いしたいです。
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