「3密」を避け、但馬の棚田巡りをしてきました。
但馬には「日本の棚田百選」に選ばれている棚田が2つあります。
香美町村岡区和佐父の「西ヶ岡の棚田」と、香美町小代区貫田の「うへ山の棚田」です。
百選の中に入ってはいませんが、養父市の鉢伏山中腹の「別宮の棚田」も好きな棚田です。
別宮の棚田 畦の曲線が美しい棚田です。
手つかずの自然だけが生態系ではありません。水田も立派な生態系の1つです。
最近、生態系サービスという言葉が使われるようになりました。
ここでいう「サービス」は経済用語です。エコロジカルサービスともいいます。
人が生態系から得られる恩恵のことで、最近、教科書にも登場する用語になりました。
別宮の棚田 この時期だけ「逆さ氷ノ山」が見られます。
国連環境計画(UNEP)のミレミアム生態系評価では生態系サービスを4つに分類しています。
1つ目は供給サービス。棚田でいえば、食糧生産がこれにあたります。
西ヶ岡の棚田 「但馬大佛」の長楽寺を見下ろす絶景ポイントです。
2つ目は調節サービス。棚田は洪水を防ぐのに大きな貢献をしています。
日本の年間降水量は平均約1720mm。これは世界平均の約880mmのほぼ2倍です。
急傾斜のところに多量の雨が降りますので、もともと洪水の危険が大きいのです。
これに森林の保水と水田の貯水が力を発揮します。
棚田は日本の水田の約1割を占め、その貯水量は黒部ダムの4倍に相当するそうです。
まさに「緑のダム」。
西ヶ岡の棚田 「天空の棚田」と呼びたいです。残念ながらまわりに耕作放棄地が目立ちます。
3つ目は文化的サービス。
棚田を見て心が和んだり、↓こんな絵を描いたり、俳句を作ったり、・・・。
それらも皆、お金には換えられない、棚田から受ける恩恵です。
うへ山の棚田 地滑り地を上手く利用した棚田で、山陰ジオパークのジオサイトの1つになっています。
そして、最後に上記のサービスを支える基本的な基盤サービス。
光合成のはたらき、水の循環、窒素の循環などがこれにあたります。
うへ山の棚田 地元の中学生・高校生も棚田の維持に貢献しています。
人はこれまで生態系から受けられる恩恵を無料で無限だと勘違いしてきました。
森、草原、湖沼、水田、海、・・・さまざまな生態系の有り難さを意識したいものです。
では、きょうの問題です。上の文を読んでいただいたら簡単ですね。
(「eco検定独学合格マニュアル」からお借りしました。)
問 生態系の恵みのうち、栄養塩(窒素、リン、カリウムなど)の循環、土壌の形成、光合成による酸素の供給といった機能は、UNEPのミレミアム生態系評価では何サービスと呼ばれるでしょうか。次のア~エから1つ選びなさい。
ア 調整サービス イ 供給サービス ウ 基盤サービス エ 文化的サービス
きのうの問題の答え・・・(1)0.3 (2)白色:赤紫色=51:49
(1)ハーディ・ワインベルグの法則です。遺伝子Aの頻度をp、遺伝子aの頻度をqとすると(p+q=1)、各遺伝子型の割合は、AA:Aa:aa=p×p:2×p×q:q×q となります。よって、p=0.3、q=0.7です。 (2)集団が十分に大きく、交配が自由に行われ、個体の移入や移出がなく、自然選択や突然変異が起こらなければ、その集団の対立遺伝子の頻度は変化しません。よって、この集団では、p=0.3、q=0.7のままです。難しいですね。すんません。
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