ムラサキツユクサ(紫露草)は北米原産の帰化植物です。
庭に植えたものが道端や空き地で野生化していますが、これがいい観察材料になります。
葉っぱの気孔が大きいので、中学校理科では気孔の観察材料の定番です。
気孔はふつうは葉っぱの裏側に多いのですが、ムラサキツユクサでは表裏両面にたくさんあります。
雌しべのまわりに雄しべが6本。この雄しべに細かい毛がいっぱい生えています。
この毛は、大きな細胞が縦に1列に並んでできています。肉眼でも何とか見えるくらいです。
顕微鏡で見ると、細胞の中身がゆっくりと流れるように動いているのが見えます。
これを原形質流動といいます。細胞が生きている!ということが実感できる教材です。
つぼみの中の短い雄しべの毛を観察すれば、体細胞分裂の観察ができます。
また、つぼみのときの雄しべの葯を観察すれば、減数分裂を観察することもできます。
私の場合、例年なら4月にスギナ(ツクシ)の胞子を材料に、顕微鏡の学習を進めます。
そこで、ツクシを冷蔵庫のチルド室に入れていたのですが、さすがに2か月はもちませんでした。
6月から授業ができるようになったら、今年はムラサキツユクサを観察材料にしたいと思っています。
おしべの毛の細胞を顕微鏡で見て、細胞1個だけを丁寧にスケッチしてもらいます。
そして、「雄しべの毛は何の役割を果たしているのか」を考えてもらおうと思います。
だから、ここには雄しべの毛の役割は書きません^^
正しい答えを見つけるのではなく、あれこれ考えてもらうのが目的です。
ムラサキツユクサの花の上にヤブキリの若齢幼虫がいました。まだ翅がありません。
薮にいるキリギリスの意味でヤブキリ。でも、道端の草むらにもよくいます。
成虫になると他の昆虫を食べ、自分より大きなセミにでも飛びかかる肉食性のヤブキリです。
でも、幼虫のときは草食です。ムラサキツユクサの雄しべ・雌しべがすっかり食べられていました。
花粉を運ぶハナバチのような昆虫だけでなく、こんな招かざる客が来ることもあります。
さて、きょうの問題です。高校「生物基礎」の定期考査で出題されるような問題です。
問 次のア~オのうち、ムラサキツユクサの雄しべの毛を顕微鏡で観察したとき、観察できない構造物はどれですか。1つ選びなさい。
ア 核 イ 葉緑体 ウ ミトコンドリア エ 細胞壁 オ 液胞
きのうの問題の答え・・・エ
(ア:赤色が灰色に見えたのでは効果は弱くなります。目立つ方がいいのです。イ:ミュラー型擬態は捕食者に記憶されないと意味がありません。ウ:半数が不味く半数が美味いとすると、空腹の鳥の中にはリスクを承知で食べてみることを選ぶものが出てきます。エ:鳥の個体数10に対してテントウムシが100いる場合、10の犠牲で90が守られます。仮にテントウムシが200に増えた場合は、10の犠牲で190が守られることになりますので、個体数が多いほど効果が強まります。)
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