秋に紅葉が楽しめるイロハモミジですが、この時期も目を楽しませてくれます。
新緑の葉っぱの上に赤く見えるのは、・・・・・花ではありません。イロハモミジの果実です。
参考までに、↓こちらが花。花も赤いのです。1か月前に撮りました。
↑左の写真の中に3つだけ両性花(雌しべと雄しべがそろった花)が見られます。
他はすべて雄花。雄花には、右の写真のように雄しべだけが8本あります。
イロハモミジには昆虫はやって来ません。風媒花です。
雄しべの葯の花粉が風に乗って飛んでいき、2つに分かれてクルクル巻いた雌しべの柱頭につきます。
雌しべの基部の子房が両サイドに薄く板状に延びているところに注目です。
その雌しべの子房が、いまは↑このようになりました。
花のときは下を向いていたのに、いまは誇らしげに上を向いています。
果実に大きな翼がついています。このような果実を翼果といいます。
よく見ると、2個の翼花が向き合っている真ん中にまだ雌しべの花柱や柱頭が残っています。
果実の基部の膨らんだ部分に種子が入っています。
8~9月頃、果実は風に乗って飛ばされていきます。これを風散布といいます。
翼のおかげで果実はクルクルと回転し、滞空時間を延ばして遠くまで飛んでいきます。
結果として、種子は広範囲にばらまかれることになります。
たくさんの種子が飛んでいきますので、中には良い条件のところに落下するものがあるはずです。
広範囲にばらまけばそれだけ子孫を残す確率も増すというわけです。
夏休みの自由研究のテーマに「イロハモミジの果実の風散布」はいかがでしょう?
今年、夏休みがあれば・・・ですけれど。
イロハモミジの熟した果実を一定の高さから落下させて、床につくまでの時間を測定します。
落とす高さ(m)を変えて、それぞれの滞空時間(秒)を測定してグラフ化します。
自由落下とはまったく異なるグラフになるはずです。中学生向きです。
さて、きょうの問題です。これも中学生向きです。
問 次の植物のうち、風散布ではない方法で種子を運ぶものはどれですか。ア~オのうちから1つ選びなさい。
ア タンポポ イ マツ ウ ススキ エ イチゴ オ ワタ
きのうの問題の答え・・・ア
(蜜標部分は紫外線を吸収します。アブラナの花の中央は紫外線を吸収し、周辺部は紫外線を反射します。タンポポやキンポウゲなども同じです。ヒトには黄色一色に見える花ですが、昆虫たちには模様が見えるのです。)
↓1日1回、ポチッとお願いします。 大変励みになっています。
植物・花ランキングこのブログの写真の無断使用をお断りします。
- 関連記事
-
スポンサーサイト