兵庫県では、新型コロナウイルス感染拡大で休校期間がまた延長です。
きのう「県立高校、特別支援学校は5月31日まで休校期間を延長する」という発表がありました。
そこで、この写真ブログを「高校生のための生き物学習」の場にします。
高校の「生物」や「生物基礎」に登場する生物や生物学用語について、写真と文で紹介していきます。
生き物を身近に感じ、高校生の皆さんに興味を持ってもらえば幸いです。
授業の代わりにはなりませんが、参考にはなると思いますし、受験にも少しは役立ちます。
まずは、身近なところで、タンポポのお話から。
ひとくちにタンポポと言ってもいろんな種類があります。
但馬でよく目立つのはセイヨウタンポポ(西洋蒲公英)です。その名の通り、ヨーロッパ原産です。
果実の赤いアカミタンポポ(赤実蒲公英)もヨーロッパ原産で、ともに20世紀初めに日本に入ってきました。
セイヨウタンポポのように、もともとその地域に生息・生育していないで人為的に他の地域から入ってきて定着している生物種を外来種といいます。
これに対して、従来からその地域で生息・生育している生物種を在来種といいます。
タンポポの外来種と在来種の簡単な見分け方を紹介しましょう。
タンポポの花はたくさんの舌状花が集まって1つの花のように見えます。
その全体を包んでいる緑色の部分を総苞(そうほう)といいます。その形に注目してください。
在来種(↑左側)では内側の総苞片と外側の総苞片がくっついていますが、外来種(↑右側)では外側の総苞片が大きく反り返っています。
若干の例外がありますが、これでほぼ見分けられます。
もう1つの見分け方を紹介します。
↓この写真で、外来種(セイヨウタンポポ)の中に1つだけ在来種が混じっています。どれでしょう?
花の色に注目してください。右側の上の花が在来種(ヤマザトタンポポ)です。
鮮やかな黄色が外来種、少しクリームがかったレモンイエローが在来種です。
外来種は舌状花の数も多くてたくさん重なっているように見えます。
但馬のタンポポの在来種には、レモンイエローのヤマザトタンポポ(山里蒲公英)、カンサイタンポポ(関西蒲公英)や、鮮やかな黄色のクシバタンポポ(櫛葉蒲公英)、白色のシロバナタンポポ(白花蒲公英)、キビシロタンポポ(吉備白蒲公英)などがあります。
その中から、クシバタンポポを紹介します。
↑これがクシバタンポポ。花の色は外来種と同じような鮮やかな黄色ですが、葉っぱの形に注目です。
髪の毛をとく櫛(くし)のように深い切れ込みが特徴です。
毎年、「西日本タンポポ調査」が行われていますが、今年はコロナ禍でそれも実施できません。
但馬内でもどこにどの程度あるのか、まだ分布がよくわかっていないそうです。
↑朝早くて、まだ開ききっていないクシバタンポポです。
総苞にボリュームがある感じです。そして、何といっても葉っぱが特徴的。
家のまわりでこんなタンポポを探してみてください。私も今朝、見つけました。
見つけたら、ぜひ「タンポポ調査実行委員会」に報告してください。
きょうは外来種と在来種のお話でした。
では、ここで問題です。
問 カブトムシは、日本の本州以南、朝鮮半島、中国大陸、台湾島、インドシナ半島に生息する昆虫で、本来は北海道には生息していませんでしたが、ペットとして北海道に持ち込まれ、現在野生化しています。この場合の北海道のカブトムシは外来種でしょうか、在来種でしょうか? (答えは明日ネ)
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