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釣舟草の作戦

山からの水が流れ出てくるようなちょっと湿った道端に赤紫色の花がたくさん咲いています。
一度見たら忘れられない可愛らしい花、ツリフネソウ(釣舟草)です。

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花びら3枚とガク3枚が組み合わさった面白い形の花を吊り下げます。
ガクの1つが大きな筒状になって、その後方がクルリと巻いているのがチャームポイントです。
この部分を「距(きょ)」といいます。ここに蜜が溜まります。

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蜜を吸いにやって来たのはトラマルハナバチ。↑この通り長い舌を持っています。

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トラマルハナバチがツリフネソウの花の中に潜り込んでいきます。
蜜があるかないかはすぐにわかるようで、ない場合にはすぐに花から離れます。
ある場合には、花の中にゴソゴソと潜り込んでいきます。

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このとき、花の上のほうにある雄しべの葯の花粉がトラマルハナバチの背中にくっつく仕掛けです。
花の入り口の大きさとトラマルハナバチのからだの大きさはほぼ同じです。
だから、必ず葯が背中に触れます。
葯に触れないような小さなハチは距の蜜に舌が届きません。
トラマルハナバチだけを選んで蜜を提供し、花粉を運んでもらおうというツリフネソウの作戦です。

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しかし、上には上があるものです。
↑クロマルハナバチがやって来ました。このハチは舌が短く、距の蜜に届きません。
だから、クロマルハナバチは花の中に潜りません。
花粉の運搬には貢献せず、蜜だけを得る「盗蜜」を行います。

IMG_3601.jpg

クロマルハナバチが花の外側からあなを開けています。
でも、この花では蜜は得られないかも知れません。
なぜなら、この花にはすでに何度かトラマルハナバチがやって来たようです。
花に潜り込むときの足場になる位置にその痕跡が残っています。

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丹馬

Author:丹馬
落語と授業の合い間に生き物を中心とした写真を撮っています。
兵庫県の北部・中部がおもなフィールドです。

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