水葵の作戦
- 2019/09/16
- 21:00
出石町の谷山川のミズアオイ(水葵)が今年もたくさん咲いています。
ミズアオイは、昔はイネとともに水田で栽培され、食用になっていたようです。
いつの頃からか、水田ではイネだけを育てるようになり、その他の植物は雑草扱いになりました。
食用としてお世話になっていた植物がうとましい存在になって、水田から姿を消していきます。
追い打ちをかけたのが除草剤です。こうして、いまやミズアオイは準絶滅危惧種になってしまいました。
出石町の谷山川のミズアオイは1994年に発見され、それ以来、大切に育てられてきました。
出石中学校、出石高校の生徒の皆さん、地元の皆さんの努力がいま文字通り、開花しています。
出石中学校のそばの谷山川は、いま青紫色の花で染まっています。
観光に来られた方、ぜひ、谷山川のミズアオイもご覧ください。
ミズアオイは花びら6枚の一日花です。
雄しべが6本あります。そのうちの5本の葯は黄色く、1本は紫色です。
紫色の葯をもつ雄しべの反対側に雌しべがあります。この雄しべと雌しべの位置関係に注目です。
紫色の葯をもつ雄しべが、雌しべの左側にある花↑と右側にある花↓があります。
ミズアオイには蜜腺がありませんので、昆虫たちにとっては花粉がご馳走です。
黄色い葯がミツバチなどのハナバチを引きつけます。
黄色い葯の花粉を食べているハチのからだのどちらか片側に紫色の葯の花粉が付きます。
このハチが隣の左右逆の花に行くと、先ほどの花の花粉が雌しべにくっつくというわけです。
左右異型の花の間で受粉をさせるという巧みなしかけになっています。
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