花筏の黒い果実
- 2019/08/11
- 21:00
「花筏」という古典落語があります。この噺で花筏は大坂相撲の大関の名前です。
主役のはずの花筏は一言も発せず、そのにせものが活躍する滑稽噺です。
この噺から四股名をもらった力士がいますが、この噺の元になった力士はいないようです。
とすると、この噺の作者が四股名を思いついたことになります。
水面に散った桜の花びらのことも「花筏」と言いますが、散ったものを四股名にするのは縁起が悪そうですので、もしかするとこの植物の名をもらったのかもしれません。
ハナイカダ(花筏)の花は5月に咲きます。葉っぱの真ん中に。
雌雄異株で、雌株では花はたいてい1個、たまに2個。黄緑色の目立たない花です。
いまの季節、果実が緑色から黒色に変わってきます。
葉っぱを筏に、花や果実を船頭に見立てての命名です。粋で風流です。
しかし、なぜ葉っぱの中央に花や果実がつくことになったのでしょう?
よく見ると、葉っぱの付け根から果実までの葉脈が太くなっています。
おそらく、もともとは花や果実は葉っぱの付け根から分かれて立ち上がっていたのでしょう。
それが葉っぱの葉脈と合体して、こういう形になったと思われます。
そのほうが都合がいいことがあったからなのでしょうが、この先はまた別の機会に…。
この果実、私は食べたことはありませんが、甘みがあり美味しいのだそうです。
花のときよりも果実のほうが目立ちます。鳥が食べに来るのでしょうか?
しかし、ほとんどの葉っぱに果実が1つずつ乗っていて、ほとんど食べられていません。
黒くはなっていますが、まだ熟していなくて、鳥たちは食べ頃になるのを待っているのかもしれません。
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