栃のダミー花
- 2019/05/26
- 21:00
きょうは大相撲の千秋楽。
かなり誤審に近い判定で優勝争いから後退した栃ノ心関には気の毒でした。
しかし、大関に復帰できたことだし、来場所での活躍を期待したいと思います。
きょうはそれを祈念して、そのトチノキ(栃、栃の木)の花。
奥神鍋スキー場のトチノキの大木です。
トチノキが花を咲かせ、実がなるまでには30年とか40年という長い年月が必要なんだそうです。
「桃栗三年柿八年、柚子の大馬鹿十八年」なんて言いますが、トチノキはそれ以上です。
ホウノキのような大きな葉っぱの上に、ソフトクリーム状の花穂をつけます。
花びらは目立ちませんが、たくさんの雄しべが伸びていて賑やかな花の集まりです。
1つの花穂の中に、雌しべと雄しべの揃った両性花が5つくらい含まれますが、それ以外はすべて雄しべだけの雄花です。つまり、1つの花穂に5つくらいの実がなるということになります。
トチノキの蜜はミツバチの大好物。トチノキも花粉運搬をミツバチなどのハナバチに頼っています。
花に黄色い斑点があるのが蜜を出している花で、蜜が終わると斑点が赤色に変わります。
ミツバチは赤色光を識別できません。そのため黄色い斑点に惹かれて花を巡っていきます。
花粉の運搬にはあまり役立たないチョウたちも蜜を求めてトチノキの花にやって来ます。
しかし、チョウの多くは赤色光も識別できますので、赤色の斑点の花にも惹かれます。
チョウの種類によっては、むしろ赤色のほうに強く惹かれるものもいます。
つまり、トチノキは花粉を運搬してくれるミツバチに対しては蜜のあるところへ案内しながら、一方であまり花粉を運搬してくれないチョウにはダミーの花を用意しているというわけです。
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