高級楊枝の黒文字
- 2019/04/16
- 21:00
宮中の女房詞(にょうぼうことば)に文字言葉というのがあります。
言葉の頭の一音か二音に「~もじ」という言葉をつけたものです。
かもじ(=髪)、ゆもじ(=湯具、浴衣、湯巻き)、そもじ(=そなた)などです。
名詞だけでなく、おめもじ(=お目にかかる)なんて動詞にも使います。
しゃもじ(=杓子)など、現代にも通じる文字言葉もあります。
その一つではないかと、私は思っています。このクロモジ(黒文字)。
牧野富太郎さんは、樹皮の黒い斑点を文字に見立てての命名だとおっしゃっています。
尊敬する牧野富太郎さんではありますが、ちょっと逆らってみます。
クロモジは高級な楊枝の材料です。枝や葉っぱがとってもいい香りがします。
宮中で黒い楊枝を「くろもじ」と言ったのではないかなと思うのです。
そして、そのもとになる木の名前もクロモジ。
クロモジは雌雄異株で、これ↑は雄株の雄花です。雄しべが9本あります。
黄色の花びらは薄くて半透明。ガラス細工のような花です。
クロモジの花に甲虫の仲間がいるのはときどき見ますが、あまり賑わっているようではありません。
クモが待っているところを見ると、ハナバチやハエの仲間も来るのでしょうか。
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