里山と片栗
- 2019/03/29
- 21:00
きょうも春の妖精の代表的な植物です。
丹波市氷上町清住のカタクリ(片栗)の自生地に行ってきました。
近畿地方では珍しいカタクリの群生地です。
気温が高くなると花を開き、花びらが反り返ります。
陽が当たっているところはよく反り返っていますので、それがよくわかります。
クヌギの林ではありますが、落葉樹ですので、この時期は林床までよく陽が当たります。
クヌギが葉っぱを茂らせるまでにさっさと光合成をして栄養を蓄えようというカタクリの作戦です。
6月にはカタクリの葉っぱは黄色くなって枯れてしまいます。
なぜ、近畿地方でカタクリの群生地が珍しいか?
それは、カタクリが落葉広葉樹林の林床に適応した植物だからです。
落葉広葉樹林帯は、東北地方の平地や中部地方の山地がそれに該当します。
近畿地方の平地は本来、照葉樹林帯です。つまり常緑広葉樹が中心です。
カタクリがこの照葉樹林帯に群生しているのは、落葉樹が多い里山があるからです。
つまり、ここのカタクリは人の生活とともに生きてきたとも言えます。
しかし、里山が成立したのはおそらく縄文時代以降です。
それまでの時代、カタクリは常緑の照葉樹林の縁で細々と生きていたのでしょうか。
あるいは、里山が成立したあとで北の地から誰かが種子を運んで来たのでしょうか。
ロマンを秘めている照葉樹林帯のカタクリです。
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