遠慮深い川鯥
- 2019/01/29
- 21:00
カワムツ(川鯥)です。
子どもの頃はモトと呼んでいました。
植物が水面を覆っているような場所でガサガサやると、網の中に入ってくる魚です。
オイカワは中流~下流域に、カワムツは上流~中流域に棲んでいます。
オイカワとカワムツが一緒にいるようなところでは、川の中央部にオイカワが陣取ります。
そのため、カワムツは岸の方へ追いやられてしまいます。遠慮深いカワムツです。
ところが、夏、アユが川を上ってくると、アユが川の中央部を陣取ってしまいます。
すると、オイカワは岸のほうへ移動しますので、カワムツは今度は中央部に追いやられてしまいます。
川底ではアユが藻を食べているので、カワムツの餌は水面に落ちた虫などに変わってしまいます。
…という話は、「棲み分け」や「食い分け」の例として、高校の教科書にも登場してきます。
無用な争いを避け、互いに場所や餌を分け合って、共存しているという事例です。
それは、カワムツの遠慮深さ(というか弱さ)があればこそ成り立っているわけです。
しかし、それも流れの急な瀬や流れの穏やかな淵のある川での話。
最近は、河川改修で川の流れが全体に同じように速くなりました。
その結果、カワムツがだんだん棲みにくくなっています。
治水はもちろん重要なのですが、瀬も淵も、カワムツが隠れるような場所もある、変化に富んだ川を大切にしていきたいものです。
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