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釣船草の共進化

きのう紹介した「猿壺の滝」のすぐ脇にツリフネソウの花が咲いていました。

山では平地よりも早く花が咲くようです。

水辺で見ると、やはりフネを連想します。独特の花の形が印象的です。


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花の後方のガクが変形して距(きょ)と呼ばれる袋をつくり、これがクルッと巻いています。

ここに蜜が溜まります。ここに口が届くのは、マルハナバチの仲間です。

とくに舌の長いトラマルハナバチはツリフネソウの蜜が大好きのようです。

ツリフネソウのほうもトラマルハナバチが訪れやすいように進化してきました。


IMG_3768.jpg


トラマルハナバチがやってきて、花の奥まで潜り込んでいきました。

このとき、花の奥の上側にある雄しべの花粉がトラマルハナバチの背中にくっつきます。


IMG_3841.jpg


ツリフネソウの花を正面から見ると、アンコウが口を開けているみたい。

下側の花びらが訪問者の足場になります。

トラマルハナバチは、ツリフネソウの花に潜らないと蜜の有無がわかりません。

先客が蜜を吸ったあとで蜜が溜まっていないと、潜ってもすぐに出てきて花を離れます。

そのため、次から次へとツリフネソウの花を訪れ、花粉を運ぶことになります。


IMG_3845_201808251438560a8.jpg


花粉の運び屋をマルハナバチの仲間に限定し、確実に受粉させる方法を選んだツリフネソウ。

その巧みな進化に驚くばかりです。


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Author:丹馬
落語と授業の合い間に生き物を中心とした写真を撮っています。
兵庫県の北部・中部がおもなフィールドです。

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