導管のない千両
- 2023/01/04
- 21:00
正月の縁起物のセンリョウ(千両)です。


南方系の植物で、紀伊半島や四国、九州では山に自生するそうですが、当地では野生のものはありません。
庭に植えられています。

センリョウには、被子植物の中では珍しく導管がありません。
シダ植物や裸子植物のように、仮導管で根から吸収した水を運びます。
そういう点で、センリョウは被子植物の中で原始的な存在です。
また、維管束の進化の過程で、導管が最も新しく形成された機構であることの証拠を示す植物です。

ところで、以前は「導管・篩管」と書いていたのですが、いまは「道管・師管」と書きます。
「篩(ふるい)」という漢字が常用漢字にないので、「師管」と書くようになったと聞きました。
でも、管の上下の細胞壁に「篩」のような細かい孔が空いているので「篩管」です。
「師」ではその意味が消えてしまいます。
もっとも高校生に「篩」と言っても、「何それ?」なのですが・・・。
一方、水を導く「導管」は、水の通り道であるので「道管」でもいいような気がします。
授業では教科書に合わせて「道管・師管」と書くのですが、「篩」の話もしています・・・^^
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