雪中の熟柿
- 2022/12/20
- 21:00
雪の中に、真っ赤に熟したカキ(柿)の果実が目立ちます。
ムクドリ(椋鳥)がやって来て、盛んに突いて食べています。
でも、この熟柿の色、イヌやネコには葉っぱの緑色と区別できないんです。
視細胞には明暗を区別する桿体細胞と、色を区別する錐体細胞があります。
鳥類やハ虫類の多くは、3種類、4種類の錐体細胞をもっています。
ハ虫類から進化してきた我々のご先祖様は、夜行性になりました。
恐竜が闊歩する時代に、小さな哺乳類は夜にこそこそと動き回っていたのです。
夜の活動に適応して桿体細胞を増やし、錐体細胞を2種類に減らしました。
そのため、ご先祖様は赤色と緑色の識別ができなくなり、紫外線が見えなくなりました。
そんな哺乳類の中で、昼行性のサルの仲間が現れ、突然変異で錐体細胞を3種類に復活させました。
ご先祖様が、小鳥と同じように、緑の葉っぱの中の赤い果実を識別する能力を再度手に入れたわけです。
ヒトが雪の中の真っ赤な熟柿に目を奪われる。
・・・その背景には、何億年という長い時間をかけた生物の進化があるのです。
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