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紫露草の雄しべの毛の役割

先日の授業でムラサキツユクサ(紫露草)の雄しべの毛の顕微鏡観察をしました。
雄しべの毛は大きな細胞が一列に数珠のように並んでいて、観察しやすいのです。
細胞内の構造物がゆっくり流れる「原形質流動」の観察がおもな目的です。

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観察のついでに「雄しべの毛の役割って何だろう?」と問いかけてみました。
「何のためにこんな構造が生じたのか?」という問いは無意味かもしれません。
生物は目的をもって進化しているわけではありませんから。
でも、何かの役に立っていそうな気がします。
ムラサキツユクサには蜜腺がありません。だから、蜜を吸うチョウなどはやって来ません。
花粉を求めてやってくるハナアブなどに花粉を運んでもらいます。
これをヒントにして、生徒たちに雄しべの毛の役割を考えてもらいました。

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柔軟な発想で、いろいろな考えが出てきます。
●昆虫を惹きつける匂いを出しているのではないかな? 
 表面積が広いほうが匂いが発散しやすいから。
●毛の細胞は肉眼でも見えるくらい大きいから、昆虫は花粉と勘違いしてるのかも。
 花粉がいっぱいあるよ!と昆虫をだましているのでは?
●葯からこぼれた花粉を受け止める受け皿になっているのかも?
 せっかくつくった花粉を少しでも無駄にしないために。

IMG_1666.jpg

●雄しべの強度を保つのに役立っているのでは?
 昆虫がやって来て雄しべにつかまっても簡単に倒れないように。
●花粉を求めて昆虫がやって来たときに昆虫の足場になっているのかも?
 つかまるものがあった方が昆虫も来やすいもの。

IMG_1657.jpg

ほんとうのところはわかりません。
でも、昆虫の立場になったり、花の立場になったりしていろいろ考えてみるのは楽しいです。

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丹馬

Author:丹馬
落語と授業の合い間に生き物を中心とした写真を撮っています。
兵庫県の北部・中部がおもなフィールドです。

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