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紅花栃の木の作戦

きょうは一日中小雨模様でしたので、先日撮った写真です。
豊岡市民会館のそばのベニバナトチノキ(紅花栃の木)が空に向かって花を咲かせていました。

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鮮やかな紅い花で目を引きます。
欧州原産のセイヨウトチノキ(いわゆるマロニエ)と北米原産のアカバナトチノキの交配種だそうです。

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たくさんの花がかたまって咲いています。
雄しべだけの雄花と、雌しべ・雄しべが揃っている両性花があり、雄花のほうが多く見られます。
また、よく見ると、黄色い部分がある花と、全体が紅い花があるのがわかります。
黄色い部分は蜜標です。昆虫に「この奥に蜜があるよ!」と教えている案内標識です。

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時間とともに、黄色→オレンジ色→紅色と変化

蜜標の部分は色が変化します。
開花して2日間は黄色く、3日目にはオレンジ色になり、4、5日目には紅くなります。
そして、花はポトリと落下します。落ちている花は紅いものばかりです。
↑蜜標の色の変化とともに、雄しべの葯の変化に注目してください。
蜜標が黄色いときは葯も若々しく花粉を放出しています。
ところが、紅色のときは葯も枯れたようになっています。
花の蜜も3日目までしか分泌しないのだそうです。
つまり、黄色いときには花粉をつくり、蜜を分泌して昆虫たちを誘います。
言い換えれば、蜜標がわかる昆虫たちにだけに蜜のありかを教えているのです。

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蜜標がわかる昆虫の1つがニホンミツバチ(日本蜜蜂)。
黄色い花だけを次々と訪れて飛び回っています。

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クマバチ(熊蜂)も黄色い花だけを訪れます。
蜜標がわからない昆虫たちがやって来ても、なかなか蜜にありつけないというわけです。
花粉の運搬効率のいいハチたちにターゲットを絞った、ベニバナトチノキの賢い作戦です。

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Author:丹馬
落語と授業の合い間に生き物を中心とした写真を撮っています。
兵庫県の北部・中部がおもなフィールドです。

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