鷺苔の作戦
- 2021/04/17
- 21:00
田んぼの畦に生えているサギゴケ(鷺苔)、別名ムラサキサギゴケ(紫鷺苔)です。


コケと付きますが、もちろんコケではなく被子植物です。
唇形の花の下唇が3つに裂けていて、鳥のように見えなくもありません。
上唇の内側にへばりつくように雌しべが1本。
その先端の柱頭はキャッチャーミットのような形をしていて、ふだんは開いています。
その下方に雄しべの葯がありますが、覗き込まないと見えないような位置にあります。
ヒメハナバチの仲間だと思います。ミツバチより小さいハチがやって来ました。
ハチの頭には、他の花の花粉が付着しています。
下唇の盛り上がった部分のオレンジ色の斑点が蜜標(ガイドマーク)です。
「この奥に蜜がありますよ!」という案内標識になっています。
入り口には白い毛が密生していて、これを足場にしてハチが頭を突っ込んでいきます。
ハチが雌しべの先に触れた途端、雌しべのキャッチャーミットが閉じる仕掛けになっています。
こうして他の花の花粉をしっかり受け取ることができます。実に巧妙!
他の花と言っても、多くの場合、同じ種類の花です。
ハエと違ってハチは同じ種類の花を次々に訪れますので、サギゴケの花粉がサギゴケに運ばれます。
また、サギゴケがまとまって群落をつくるので、その確率も上がります。
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