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馬糞海胆の採集

発生の実験に使用するバフンウニ(馬糞海胆、馬糞海栗)の採集に行ってきました。
馬糞のようなウニという気の毒な命名ですが、寿司ネタの雲丹(うに)はこのウニの精巣・卵巣です。
ただ、この時期のバフンウニの卵巣には苦みがあるので、食用には適しません。

IMG_4317.jpg

きょうは午前10時~11時頃が最も潮が引くということで、その時刻に合わせて行きました。
きょうの午前中は、波も比較的穏やかで雪や雨も降らず、採集にはありがたい天気でした。
岩場の石の間や裏側にいます。

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↑こんな場所です。この写真にはイソギンチャク、ムラサキウニがたくさん写っています。
この中にはバフンウニは1個体だけです。おわかりですか?
ムラサキウニには長い棘がありますが、バフンウニの棘は短く目立ちません。
ムラサキウニの産卵期は初夏、バフンウニはいまの季節です。
採集方法は簡単です。胸まである胴長靴をはいて海に入り、火ばしでウニをつかみます。
↑上の写真で、バフンウニは中央のやや下です。アップします↓

IMG_4323_20210201161628fa6.jpg

40個体くらい採集しましたが、実験に使う20個体余りを残して、小さめのものは海に返しました。
生徒たちは、精子、卵を放出させ、顕微鏡で受精の瞬間を観察します。
その後、2細胞、4細胞、…と発生の過程を観察し、うまくいけばプルテウス幼生まで見られます。

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コメント

Re: 大量発生で昆布が全滅

>yokoblueplanetさん、こんばんは。
コメント、ありがとうございます。
日本でもムラサキウニが大量発生をして海藻を食べ尽くし、「磯焼け」と呼ばれる現象を起こしているところがあります。今回採集に行った日本海沿岸でもムラサキウニがたくさんいました。ムラサキウニの繁殖期は初夏ですので、この時期はもう少し深いところにいることが多いはずなのですが、この時期に浅いところでも多く見られるということは数がかなり増えているのでしょう。逆にバフンウニの数は以前に比べて減少していると思います。感覚的なもので、きちんとしたデータがあるわけではありませんが、大きく成長したバフンウニも少ないですし、実験室で放精・放卵させようとしても未成熟なものが多くなっています。餌不足で精巣・卵巣が発達していない(食用としては身が入っていない)ということでしょう。
原因はわかりませんが、冬に繁殖するバフンウニが減少し、夏に繁殖するムラサキウニが増えていることから、海水温の上昇と関係があるのではないかと想像しています。

大量発生で昆布が全滅

こんにちは。
カリフォルニア北部沿岸部で(どのウニの種類か未確認ですが)ウニが大量発生し、駆除対象になっています。昆布がほぼ全滅、アワビの産地でしたが、今はほとんど見られなくなり、採取禁止になっています。
その前には、ヒトデなどが大量死する現象が続き、原因が分からず、フクシマ原発事故の後の事件なので色々な説が出されていました。
日本では環境バランスが崩れるほどのウニの大量発生の問題にはなっていないのでしょうか?

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丹馬

Author:丹馬
落語と授業の合い間に生き物を中心とした写真を撮っています。
兵庫県の北部・中部がおもなフィールドです。

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