柿と錐体細胞
- 2020/11/08
- 21:00
久々の「高校生のための生き物学習」です。
カキ(柿)がいい色になっています。
甘柿の王様・富有柿が美味しい季節です。この頃、ほぼ毎日、食べてます。
我々は可視光線として「赤~橙~黄~緑~青~藍~紫」を識別することができます。
L錐体(赤錐体)、M錐体(緑錐体)、S錐体(青錐体)という3種類の錐体細胞があるからです。
L錐体は「赤~橙~黄色~緑」を、M錐体は「黄~緑~青」を、S錐体は「青~藍~紫」を識別します。
大昔、我々のご先祖さまは、これ以外に紫外線まで区別できたと考えられています。
ところが、恐竜が地球上を闊歩していた頃、我々のご先祖さまは夜行性になりました。
だから、錐体細胞を減らし、薄明かりでも見える桿体細胞という視細胞を発達させました。
桿体細胞は微弱な光をとらえることができますが、色の識別ができません。
恐竜の絶滅後、やっと昼間出歩けるようになって、昼行性の哺乳類が増えてきました。
しかし、その多くがもつ錐体細胞はS錐体とL錐体の2種類だけです。
M錐体がありません。そのため、緑色と赤色が区別しにくいのです。
しかし、哺乳類の中で樹上生活を選んだ我々のご先祖さまは、M錐体を復活させました。
おかげで緑色の葉っぱの中にある赤色の果実を容易に識別できるようになりました。
我々がいま、カキの果実を見つけ、その食べ頃を見分けられるのは、この進化の賜物です。
紅葉を愛でたり、夕焼けに感動したりするのも、このおかげ。
イヌにもネコにも、ウシにもウマにも、わかってもらえない世界です。
問 ヒトの眼には黄斑や盲斑と呼ばれる部分があります。黄斑は視野の中心付近にあり、ものの形や色を識別しやすい部分です。一方、盲斑は黄斑の少し鼻寄りにあります。ここに結ばれた光の像は見えません。盲斑で見えない理由を説明しなさい。
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