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記事一覧

珈琲の花と果実

水素・炭素・窒素・酸素などの元素名は、江戸時代末期の宇田川榕庵という蘭学者の造語です。酸化・還元・金属・溶解・結晶などの用語を作ったのもこの人。細胞・温度・圧力・分析・成分・法則など、理科の教科書には、宇田川榕庵による造語があふれています。コーヒーに「珈琲」の漢字を当てたのも、この人だそうです。我が家の出窓のコーヒーノキ(珈琲の木)に今年も花が咲きました。何かのプレゼントで苗をもらってから20年以上...

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靫草に来た昆虫たち

武士が弓矢を入れて肩や腰にかける容器が靫(うつぼ)。それに花穂の形が似ているというので、ウツボグサ(靫草)。田んぼのあぜに、その群落がありました。しばらくしゃがみ込んでいると、いろんな昆虫たちがやって来ました。まずは、ブンブンと音を立てて登場したのはトラマルハナバチ(虎丸花蜂)。蜜を吸っては隣の花へ、隣の花へと移動していきます。次にどこへ移動するか、ある程度予想できます。続いて、登場したのはツマグ...

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渦紫陽花

装飾花の縁がクルンクルンと丸くなってます。ウズアジサイ(渦紫陽花)という品種です。装飾花の間に見える小さな両性花はふつうの花びら、ガクですが、装飾花のガクだけがクルンクルン。クルンクルンのガクの数は4枚のものが多いのですが、3枚だったり5枚だったり。ガクの大きさもいろいろで左右対称とは限りません。2枚のもの、6枚のものもありました。けっこういい加減です。これ、ウイルスが感染した病気による変異がもと...

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紫陽花巡り2023・その5

2年ぶりに丹波篠山市味間南(あじまみなみ)の文保寺(ぶんぽうじ)にお邪魔してきました。山の斜面に多種類の多数のアジサイ(紫陽花)が咲き誇っています。2年前にお邪魔したときは600株ということでしたが、さらに株の数が増えたように思います。その1.5倍くらいありそうです。所在地:兵庫県丹波篠山市味間南1097 文保寺アクセス:舞鶴若狭自動車道の丹南篠山口ICから西方向へ3.7km、車で11分。↓1日1回、ポチッとお願いし...

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清楚な一日花

昼前から雨が降ったり止んだり。気温は高くないのですが、湿度が高く、蒸し暑い1日でした。こんなときには、ナツツバキ(夏椿)の花が暑さを和らげてくれます。よくお寺に植えられています。別名シャラノキ(沙羅木)。全部ではないのですが、中にはわずかに紅をさしたような可愛らしい花も見られます。朝、開花し、夕方にはそのままポトリと落ちてしまう一日花。清楚で、可愛らしさと儚さを兼ね備えたナツツバキ。諸行無常。↓1日...

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泥に染まらず

ヤマサ蒲鉾(株)の本社工場の北側に12000平方mという広大なハス(蓮)の池があります。「夢前・蓮の花苑」として、ヤマサ蒲鉾(株)が無料開放しておられます。実は、アジサイ(紫陽花)を撮ろうと思って夢前町の某寺へ向かったのです。しかし、シカ(鹿)の食害でパッとせず、こちらのハスのほうがメインになりました。6種類の品種のハスが栽培されているそうです。いまは、この淡いピンク色の品種が咲き誇っています。この透明感が...

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紫陽花巡り2023・その4

アジサイ(紫陽花)の名所は、いずこもシカの食害に悩まされています。ここは姫路市安富町の安志加茂神社に隣接する「あじさいの里」。朱塗りの渡橋が印象的です。かつては1万株のアジサイが咲き誇る名所だったとか。いまは、そのほんの一部が残るのみ。ちょっとさみしい気持ちになりました。が、環境省レッドリストで準絶滅危惧種に指定されているクロマルハナバチ(黒丸花蜂)に会えました。所在地:兵庫県姫路市安富町安志407...

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西洋紫陽花の両性花

雨上がりのセイヨウアジサイ(西洋紫陽花)に、ベニシジミ(紅小灰蝶)が止まっていました。そこへ、クロマルハナバチ(黒丸花蜂)がやって来て、ベニシジミを追い出してしまいます。そして、花の内側に潜り込んで行きました。クロマルハナバチの目的は↑これ。装飾花に埋もれた両性花の花粉です。手毬咲きのセイヨウアジサイの花はすべて装飾花のように見えますが、内側に両性花が隠れています。↓1日1回、ポチッとお願いします。...

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普通蝸牛

ヒラドツツジ(平戸躑躅)の花のそばにマイマイがいました。子どもの頃は「でんでんむし」と呼んでいました。♪でんでんむしむし かたつむり・・・という歌で、「かたつむり」とも言うのだと知りました。そして、もう少し大きくなってから、生物名としては「マイマイ」と言うのだと知ります。いろんな呼び方があります。それだけ身近な存在だったのでしょう。私が最も見慣れているマイマイはこれ。ナミマイマイ(普通蝸牛)です。から...

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西洋錦糸梅?

アジサイの撮影に行ったお寺で出会った花。キンシバイ(錦糸梅)の仲間でしょうが、ずいぶん雄しべが長いです。セイヨウキンシバイ(西洋錦糸梅)の園芸品種でしょうか。花びらが丸っこくて可愛いです。花はビヨウヤナギ(美容柳)に似てますけど、葉っぱが広くて大きいのです。つぼみは和菓子のような・・・^^↓1日1回、ポチッとお願いします。大変励みになっています。植物・花ランキング このブログの写真の無断使用をお断り...

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西瓜の花

昨年は、初めてスイカ(西瓜)をつくりましたが、そろそろ食べようとしたときにカラスにやられました。懲りずに、今年もスイカを育てています。スイカは、文科省は果物、農水省は野菜に分類するのだそうです。NHKの「チコちゃんに叱られる」でやっていました。スイカには雄花と雌花があります。↑これは雌花。雄しべはありますが、委縮しています。花粉は出していないようです。↓これが雄花。大きな雄しべが5本。たくさんの花粉...

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桃色の白詰草

クローバーの和名は、シロツメクサ(白詰草)。花の色が白いからシロツメクサなのですが、中にピンク色のものがあります。特に珍しいわけではなくて、ちらほらと見かけます。花の色以外には、ふつうのシロツメクサとまったく違いがありません。ネットで調べると、ピンク色のシロツメクサは「モモイロシロツメクサ」という品種だとのこと。「モモイロツメクサ」という品種だという記載も出てきます。桃色の品種? ホントでしょうか...

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野血止の花

友人から、この写真ブログで「チドメクサを取り上げて!」とリクエストがありました。嬉しいけど、これまでチドメグサに注目したことがありませんでした。道端でよく見かける植物なのに、どんな花が咲くのかも知らない💦道端、田んぼの畦に、ニワゼキショウ(庭石菖)やシロツメクサ(白詰草)と一緒に生えています。子どもの頃、擦り傷をすると、この葉を揉んで傷口に貼りつけていました。ちゃんと止血の効果があったと記憶してい...

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蛇苺の花と果実

道端の田んぼの畦にヘビイチゴ(蛇苺)を見つけました。ヘビイチゴの花は4月頃から咲いています。いまは花と果実が同時に見られます。直径1.5cmくらいの黄色い可愛らしい花。ヘビイチゴという名前から、何となく有毒のイメージですが、無毒なんだそうです。それなら!と思って食べてみました。甘くも酸っぱくもありません。もちろん苦くも辛くもありません。無味無臭。ちょっと勇気を出して食べてみたのに、拍子抜けです。↓1日1...

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紅小灰蝶の三角関係

きのうの雨は上がり、きょうは朝からいい天気。雨上がりのセイヨウアジサイ(西洋紫陽花)の花を撮っていたら、ベニシジミ(紅小灰蝶)に出会いました。きのうに続いて、きょうもベニシジミです。アジサイの花に囲まれて、ベニシジミのカップルが交尾中。右側が前翅の先が丸いので雌、左側が雄。愛を語るのにいいシュチュエーション!・・・そんなことは何も考えていないと思いますが。ん? よく見ると、雌雄の向こう側に何か動いて...

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紅小灰蝶の中間型

午後、いつもの小佐川沿いをウォーキングしていたら、突然の雨。まいった、まいった・・・--;雨に降られる前、きょうはやたらベニシジミ(紅小灰蝶)に出会いました。ベニシジミには、春に現れる春型と、夏に現れる夏型があります。ベニシジミの春型(左)と夏型(右)以前に撮った写真ですが、↑左側が春型、右側が夏型です。春型は前翅のオレンジ色の面積が大きく、夏型は黒っぽくなってオレンジ色はわずかになります。で、いまのベ...

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紫陽花巡り2023・その3

丹波市氷上町の円通寺に立ち寄りました。秋の紅葉のシーズンと初夏のアジサイのシーズンに、毎年2回ずつお邪魔しています。山門までの参道に、多種類のアジサイが植栽されていて楽しめます。平日の朝早くだったため、訪れていたのは私とハチとアブだけでした…^^所在地:兵庫県丹波市氷上町御油983 円通寺アクセス:北近畿豊岡自動車道の青垣ICから県道7号を南へ6km。車で12分。↓1日1回、ポチッとお願いします。大変励みにな...

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紫陽花に来た蜂たち

きょうもアジサイ(紫陽花)来たハチたちを紹介します。きのうは、ニホンミツバチ(日本蜜蜂)とそれより小さいハナバチたちでした。きょうは、ニホンミツバチよりも大きなハチたちです。腹部の先端がオレンジ色のクロマルハナバチ(黒丸花蜂)。ミツバチよりひとまわり大きくて、体長16mm前後です。環境省レッドリストでは準絶滅危惧種に指定されています。こちらはオオマルハナバチ(大丸花蜂)。黒色と黄白色の毛に覆われていま...

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紫陽花巡り2023・その2

ボタン寺として有名な隆国寺にお邪魔してきました。いまは多種類のガクアジサイ(額紫陽花)、ヤマアジサイ(山紫陽花)が楽しめます。午前中の雨が上がって、たくさんのハチたちがアジサイに集まっていました。その中から、小さめのハチたちを紹介します。まずはニホンミツバチ(日本蜜蜂)。後脚に花粉団子をつけています。蜜を吸っている間にからだについた花粉を、飛んでる間に花粉団子にまとめます。体長は13mmくらい。ミツバ...

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山紫陽花と額紫陽花

アジサイ(紫陽花)は大きく2つに分けられます。セイヨウアジサイ(西洋紫陽花)とその原種となった日本のガクアジサイ(額紫陽花)。↑こちらがセイヨウアジサイ。装飾花がいっぱいで「手毬咲き」と呼ばれます。豪華な感じ。一方、こちらがガクアジサイ(額紫陽花)。中心部に両性花、まわりに装飾花があり、「額咲き」と呼ばれます。いろいろな園芸品種が作られています。額咲きのアジサイは、さらにガクアジサイ系とヤマアジサ...

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紫陽花巡り2023・その1

梅雨の晴れ間、近場のアジサイ(紫陽花)の名所、蓮台寺にお邪魔してきました。たくさんの信楽焼のタヌキ(狸)が出迎えてくれます。よく見れば、いろんな表情、いろんな仕草があって飽きません。タヌキは「他抜き」ということで、商売繁盛、出世、合格などの縁起物なんだそうです。境内には、アジサイのほか、多種類の花が育てられています。ところが、シカ(鹿)がやって来て食い荒らすのだそうです。昨夜は、ギボウシ(擬宝珠)...

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腹広蜻蛉の雄

今年も、ウォーキング中にハラビロトンボ(腹広蜻蛉)に出会いました。但馬では珍しくはありませんが、都道府県によっては絶滅危惧種に指定されています。毎年同じような場所で出会いますので、この近くに羽化する場所があるのでしょう。きょう出会ったのは雄ばかりです。まわりを探したのですが、なぜか雌は見つかりませんでした。成熟した雄の頭部と胸部は黒く、腹部はシオカラトンボと同じような色をしています。大きさはシオカ...

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染井吉野のさくらんぼ

天気予報の通り、午前中は曇っていましたが、午後から雨。先日撮ったソメイヨシノ(染井吉野)のさくらんぼです。小佐川沿いの桜並木はソメイヨシノです。その中の何本かにさくらんぼが実っています。ほとんどの木に実はついていないのですが、少数の木の下の路上に黒い実が落ちています。サクラは自家不和合で、自家受粉をせず、自分の花粉が雌しべについても果実はできません。ソメイヨシノはすべてクローンですから、遺伝的に同...

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栗に来た昆虫たち

クリ(栗)の花が咲き始めました。遠くから見ると、クリの木全体が淡い黄緑色に見えます。それは、ブラシのようなたくさんの雄花のためです。花びらはありませんが、独特の匂いと蜜で昆虫たちを誘います。クリの花にはさまざまな昆虫が集まって来ます。きょう、いちばん多く見かけたのはニホンミツバチ(日本蜜蜂)です。たくさんの花粉をつけて、ブンブンと羽音を立て、忙しそうに飛び回っていました。こちらはコアオハナムグリ(...

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夏は来ぬ

林の脇を走る道路沿いにウツギ(空木)の花がたくさん咲いていました。別名、ウノハナ(卯の花)。♪うのはなの におうかきねに…の、あのウノハナです。最近、毎日登場しているミナミヒメヒラタアブ(南姫扁虻)がたくさんいました。コハナバチ(小花蜂)の仲間もやって来て、花粉を食べています。雌しべの花柱は3、4本、雄しべは10本です。ウツギの花の雄しべは面白い形をしています。雄しべの花糸に翼があって、先端は牙のよう...

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雪の下の作戦

小佐川の護岸に淡いピンク色の塊を見つけました。ユキノシタ(雪の下)です。湿ったところを好む植物ですが、いいところを見つけたようです。お馴染みのミナミヒメヒラタアブ(南姫扁虻)がやって来ました。ユキノシタの花が横向きに咲いているのは、こうして水平方向から来る昆虫にアピールしているのでしょう。5枚の花びらのうち、上側の3枚には赤い模様があります。これが蜜標です。その下の黄色い部分に蜜が分泌されています...

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淡い紫陽花

アジサイ(紫陽花)の咲き始めの淡い色が好きです。はじめは緑色ですが、徐々にクロロフィルが分解されていきます。淡い黄色になったところで、花びらのように見えるガクが淡い紫色になっていきます。紫色はアントシアニンの色です。クロロフィルは葉緑体の中の色素、アントシアニンは液胞の中の色素。これから徐々にアントシアニンが増えてきて、花の色が濃くなっていきます。アントシアニンを多く作るかどうかは遺伝子によって決...

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金糸梅に来た小花蜂

ご近所の庭のキンシバイの花を撮らせてもらいました。5枚の花びらを梅に、長い黄色の雄しべを金糸に見立ててキンシバイ(金糸梅)。コハナバチ(小花蜂)の仲間がやって来て、盛んに花粉を食べています。からだ全体が花粉まみれで、受粉にかなり貢献しているのがわかります。公園の遊具で遊ぶ子どもたちのように、雄しべにぶら下がったり、よじ登ったり。このサイズの小さなハチだからできる芸当のようです。↓1日1回、ポチッと...

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装飾花の役割

きょうは大雨警報が発令されて、学校はお休み。しかし、結果的には、雨は大したことはありませんでした。我が家のガクアジサイ(額紫陽花)。アジサイの原種です。まわりの大きな花は装飾花。花びらのように見えるのはガク(萼)です。だからガクアジサイ・・・ではなくて、装飾花が額縁のように見えることからガクアジサイです。中心部のたくさんの小さな花は両性花で実りますが、装飾花は実りません。装飾花が1つだけの花序があっ...

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蛍袋の作戦

通勤の途中、道路脇にホタルブクロ(蛍袋)の花が咲いているのを見つけました。ちょっと停車して撮影。関東では赤紫色だそうですが、この辺りでは白色がふつうです。釣鐘状の花の中を覗き込むと、棍棒のような雌しべが1本。そのまわりに萎れかけた雄しべがあります。この花は開花したばかり。この時期は雄性期で、雌しべはまだ成熟していません。つぼみの段階で、雄しべの花粉は雌しべの表面に預けられます。ここへ昆虫がやって来...

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プロフィール

丹馬

Author:丹馬
落語と授業の合い間に生き物を中心とした写真を撮っています。
兵庫県の北部・中部がおもなフィールドです。

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