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記事一覧

霜と植物

穏やかではありますが、西高東低の冬型の気圧配置。今朝の気温はー1℃でした。氷点下になると、大気中の水蒸気が氷の結晶となって地上の物体に付着していきます。それが霜。サツキ(皐月)の葉っぱについた霜。朝日が当たるとすぐに消えてしまいます。ホトケノザ(仏の座)についた霜。地面に近いところはもっと気温が低いので、霜も成長しています。我が家のハクサイ(白菜)についた霜。ハクサイは霜が降りると、デンプンをショ...

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白膠木の果実

夏の終わりに白い花を咲かせ、秋にきれいな紅葉を見せてくれたヌルデ(白膠木)。いまは、葉っぱをすっかり落とし、果実だけが枝先に垂れ下がっています。ヌルデはウルシの仲間。白い樹液を食器などの塗料に使ったので、ヌルデ(塗る手)だそうです。漢字で「白い膠(にかわ)の木」と書くのもそのあたりからの命名でしょう。果実のまわりに白いものが付着しています。雨でかなり流れてしまっていますが、白くないものでも舐めると...

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雪上の足跡・猪

イノシシ(猪)の足跡です。イノシシ、ウシ、シカなどは偶蹄類といわれます。もともとはヒトと同じ5本指でしたが、親指(第1指)がまず退化して4本指になりました。さらに、中指(第3指)と薬指(第4指)が発達して、これでからだを支え、速く走れるように進化しました。人差し指(第2指)と小指(第5指)は退化していますが、副蹄(ふくてい)として残っています。イノシシの副蹄は地面に近いところにあるので、↑こうして...

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冬芽・百日紅

これから冬本番を迎えますが、植物たちは春への準備をちゃんと進めています。これからときどき、いろんな植物の冬芽の写真を撮ってみようと思っています。まずは、ウォーキング・コースにあったサルスベリ(百日紅)から。サルスベリはすっかり葉を落とし、カサカサした球形の果実をたくさんつけています。果実は熟すと、果皮が6つに裂けて種子がこぼれ出します。鳥に運んでもらうわけではないので、果実といっても果肉はありませ...

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雪上の足跡・日本野兎

来年の干支は「卯」。つまり、ウサギです。日本の固有種の野生のウサギを、ニホンノウサギ(日本野兎)といいます。「うさぎとかめ」「因幡の白うさぎ」「かちかち山」などに登場するのは、ニホンノウサギでしょう。それだけニホンノウサギはとっても身近で親しみのある動物です。でも、実際にニホンノウサギを見た人は案外少ないのではないかと思います。カイウサギ(飼兎)はアナウサギを原種とする家畜で、ニホンノウサギとは別...

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緋鳥鴨の食餌

雄の頭部が赤いところからの命名でしょう、ヒドリガモ(緋鳥鴨)。でも、鴨なら鳥に決まってますから、「馬から落ちて落馬した」のようです。雄は頭部が特徴的ですから、他種と間違えません。でも、雌はやはり地味で、他種とよく似ています。くちばしに注目です。ヒドリガモの雌は、雄と同じようにくちばしが灰色で先端が黒色というのが特徴です。それにしても、可愛い顔をしています。雌が水草を食べるところを連続写真で、どうぞ...

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師走の道端・鬼野芥子

クリスマス寒波が去り、きょうはときどき晴れ間ものぞき、道端の雪も消えてしまいました。空気は冷たいのですが、その中で花を咲かせている植物があります。オニノゲシ(鬼野芥子)です。ノゲシよりも葉っぱのトゲが荒々しいので、オニがついています。ノゲシ(野芥子)もオニノゲシも、ケシの仲間ではなくて、キク科の植物。ヒナゲシ(雛芥子)の花とはまるで違っていて、タンポポみたいな花です。オニノゲシはヨーロッパ原産。図...

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越冬中の鳧

当地は、大雪というほどのことはありませんでした。午後からは晴れたり、小雨が降ったり。豊岡市日高町知見の水田で、ケリ(鳧)のカップルに出会いました。今年1月に初めて見かけて、その後もときどき見かけています。たまたま道路から近い距離にいてくれましたので、車を止めて車窓から撮影です。雌雄同色のため、どちらが雄か雌か、わかりません。羽の間に空気をいっぱいためて、温かそう。積雪の多い地方のケリは、冬には南に...

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二番穂と雀

雪が積もると、スズメ(雀)たちは田んぼの二番穂に群がります。稲刈りのあと、もう一度伸びてきたイネの穂です。触ってみると、中身のないもみ殻だけのことが多いようですが、中身が入っているものもあります。スズメたちにとっては、これが重要な食糧となります。何かに驚くと、一斉に羽ばたいて近くの樹木の梢に移動。そしてまた、舞い降りてきて食餌。昔なら、木造の民家や小屋にいっぱい隙間があって、そこに入り込んで寒さを...

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濠の赤浮草

篠山城には3つの馬出があり、そのうち東と南の2つが現存しています。馬出というのは、城門の外にある防衛施設で、城門に入る前のチェックポイントです。特に、篠山城の南馬出は規模も大きく、歴史上貴重な遺構とされています。その南馬出のまわりに濠があります。その濠が↓この通り、赤紫色に染まっています。アカウキクサ(赤浮草)の仲間です。この仲間には、在来種と外来種があって、見た目では区別がつきません。在来種は絶...

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雪中の小白鳥

コハクチョウ(小白鳥)に会いに、先日、11羽がいたところに行ってみましたが姿が見ません。別の場所にいるよ!との情報を得て、そちらに行ってみました。場所はとりあえず内緒にしておきます。豊岡市内の水田です。いました! 18羽の群れ。そのうち、8羽は幼鳥です。先日の11羽がこの中に含まれているのかどうかはわかりません。根拠はありませんが、何となく別グループのような気がします。冬季湛水の田んぼの隣の二番穂の田ん...

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雪中の熟柿

雪の中に、真っ赤に熟したカキ(柿)の果実が目立ちます。ムクドリ(椋鳥)がやって来て、盛んに突いて食べています。でも、この熟柿の色、イヌやネコには葉っぱの緑色と区別できないんです。視細胞には明暗を区別する桿体細胞と、色を区別する錐体細胞があります。鳥類やハ虫類の多くは、3種類、4種類の錐体細胞をもっています。ハ虫類から進化してきた我々のご先祖様は、夜行性になりました。恐竜が闊歩する時代に、小さな哺乳類...

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白い並木

植村直己冒険館のユリノキ(百合の木)並木です。紅葉のときの様子もいいのですが、白い並木も風情があります。氷点下3℃。吹雪の中でした。エベレストに日本人で最初に登頂し、犬ぞり単独行で初めて北極点に到達した植村直己さん。それに比べれば、これくらいチョロい・・・^^よかったら、お出かけください。「植村直己冒険館」 兵庫県豊岡市日高町伊府785↓1日1回、ポチッとお願いします。大変励みになっています。植物・花ランキ...

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師走の道端・白花蒲公英

セイヨウタンポポ(西洋蒲公英)は年中咲いていますが、在来タンポポは春に咲くだけ・・・・・・と書いたばかりですが、先日、シロバナタンポポ(白花蒲公英)が咲いているのを見つけました。シロバナタンポポは西日本に多いタンポポで、日本の固有種です。小佐川沿いの土手にシロバナタンポポだらけのところがあります。図鑑には、シロバナタンポポの花期はたいてい2~5月となっています。でも、すでにたくさん花を咲かせ、綿毛も飛ば...

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師走の道端・掃溜菊

師走の道端に咲く花の第5弾は、ハキダメギク(掃溜菊)です。田んぼの二番穂を背景に撮ってみました。図鑑には、花期はたいてい6~11月と紹介されていますが、年中咲いているように思います。熱帯アメリカ原産だそうです。黄色の筒状花がたくさん。そのまわりに白い舌状花が5つ。私なら、勲章を連想して、クンショウギクなんて命名しそうです。しかし、大正時代に牧野富太郎先生に、運悪く掃き溜めで見つかってしまいました。そ...

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葦鴨と丘葦鴨

先日紹介したオカヨシガモ(丘葦鴨)のそばにヨシガモ(葦鴨)がいました。手前の2羽がヨシガモの雄。仲良く並んで休憩中のようです。後方の左側がオカヨシガモの雄。右側がオカヨシガモの雌です。ヨシガモとオカヨシガモは、名前はよく似ていますが、色彩が全然違います。↑ヨシガモの雄は、この通りなかなか派手な装いです。頭部は赤紫色、緑色のナポレオンハット風。のどが白色で、黒色の首輪をしているみたい。白黒の三列風切...

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師走の道端・日本水仙

きょうはどんよりと曇り、ときどき冷たい小雨が降っております。日本海の沿岸部と山は雪のようです。先日、小佐川の土手を歩いていて、ニホンスイセン(日本水仙)が咲いているのを見つけました。奥に濃い緑色の葉っぱが見えますが、これはヒガンバナ(彼岸花)の葉っぱ。スイセンもヒガンバナ科の植物です。だから、冬に葉っぱを広げていても不思議ではありません。でも、なぜ、昆虫の少ない冬に花を咲かせるのでしょう?実は、ニ...

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初雪に小白鳥

平地にも初雪です。そんな中、豊岡市の六方田んぼに、今年もコハクチョウ(小白鳥)が飛来しました。コウノトリ育む農法で冬季湛水を行っている田んぼに、いきなり11羽の団体様のご到着です。北極圏から遠路はるばる、ようこそ!11羽のうち、3羽は頭や首が灰色の幼鳥です。これから徐々に白くなっていきます。コホッ、コホッというコハクチョウの会話が聞こえてきます。そんなに警戒しなくてもいいです。写真を撮らせていただくだ...

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嘴の折れた鸛

豊岡市の六方田んぼのコウノトリ(鸛)です。足環カタログから、J0487とわかります。今年5月に、豊岡市の野上巣塔で生まれた雄です。ん? よく見ると、下の嘴(くちばし)が少し欠けています。我々が長さの違う箸を使うようなものでしょうから、これではものをつかむのが難しそうです。それでも、餌を採るようなしぐさはしていましたので、何かを食べてはいるようです。少し痩せているような気もしますが、動きはふつうです。↑...

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師走の道端・西洋蒲公英

師走の道端に咲く花の第3弾は、セイヨウタンポポ(西洋蒲公英)です。春にしか咲かない在来のタンポポと違って、セイヨウタンポポは年中咲いています。その名の通り、ヨーロッパ原産です。明治時代の初期、家畜の餌として北海道に持ち込まれたのが全国に広がったのだそうです。2nの個体もあるそうですが、日本に定着したのは3n(三倍体)の個体。そのため、単為生殖で種子をつくります。つまり、花粉が必要ないのです。昆虫に...

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寒風の中の紋黄蝶

きょうは昼前から冷たい雨。雨が降る前の道端で、キバナコスモス(黄花秋桜)の花がまだ頑張っています。その花の1つに、モンキチョウ(紋黄蝶)の姿がありました。寒風の中、花にしがみつくように止まっていました。キチョウは成虫で越冬しますが、モンキチョウは幼虫で越冬すると言われています。以前は、モンキチョウも成虫で越冬すると思われていたのですが、いまは間違いということになっています。でも、この寒風の中で生き...

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今年も会えた丘葦鴨

篠山城の南堀で、今年もオカヨシガモ(丘葦鴨)に会えました。飛来数はマガモ(真鴨)ほど多くはないので、出会うとちょっと嬉しくなるカモです。↑こちらが雄。丸っこい頭で、可愛い顔をしています。雄が派手な鴨の世界にあって、この地味な姿がオカヨシガモの魅力です。くちばしは真っ黒。お尻も黒色で、脚は黄色です。胸から腹にかけての繊細な模様は、小紋の着物のよう。↑一方、雌もこの通りやっぱり地味。雌雄でくちばしの色が...

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但馬松島

きょうは気持ちよく晴れました。冬には珍しい穏やかな日本海の景色です。香美町香住区の地蔵鼻(じぞうばな)展望台付近から。三陸海岸の松島のようだというので、「但馬松島」と呼ばれています。中央に並ぶのが「香住四つ島」、右側が「弁天島」。奥が「松島」。安山岩の柱状節理が美しい島々です。気温12℃。心地良い散策日和でした。↓1日1回、ポチッとお願いします。 大変励みになっています。植物・花ランキング このブ...

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師走の道端・仏の座

師走の道端に咲く花の第2弾は、ホトケノザ(仏の座)です。図鑑には、ホトケノザの花期は3~6月と紹介されていることがほとんどです。でも、いまもこうして咲いています。そして、ホトケノザもまた、昆虫に頼らない繁殖を行っています。きのう紹介したヒメジョオンとはまた別の作戦で。それは、閉鎖花による自家受粉という作戦です。ホトケノザには2種類の花があります。ふつうの花(開放花)と閉鎖花です。ホトケノザの花のつ...

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師走の道端・姫女菀

師走に入り、道端に咲く花は少なくなりました。でも、花がまったく見られないわけではありません。寒さの中、健気に咲いている花もあります。そんな花を紹介してみようと思います。ヒメジョオン(姫女菀)です。図鑑によってさまざまですが、花期は5~8月、6~8月、5~10月、6~10月などと紹介されています。でも、こうして12月でも花を咲かせています。ほとんど昆虫もやって来ないのに、なぜ?実は、ヒメジョオンは受粉なしで種子...

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百舌鳥

木々の葉っぱが落ちてくると、小鳥たちの姿が目につくようになります。きょうは、小佐川沿いをウォーキング中、モズ(百舌鳥)の雄に出会いました。枯れかけたセイタカアワダチソウ(背高泡立草)の茎に止まっています。モズは、小さいながらもタカ(鷹)のよう。黒い過眼線と鉤形のくちばしがカッコイイ。江戸落語「棒鱈」に、「モズのくちばし」という歌が出てきます。歌といっていいのかどうかわからないような、田舎侍の不思議...

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柚子の刺と翼

我が家のユズ(柚子)が5年連続の豊作です。たくさん収穫しました。柚子ジャム、柚子酒、お風呂に入れて柚子湯・・・いろいろ楽しめそうです。小形のハナユズです。とっても良い香りがします。収穫のときに困るのが、このトゲ。長くて硬くて鋭いんです。手袋をしていても、引っかき傷ができてしまいます。ユズの葉っぱの形も面白いです。途中でくびれたようになっています。実は、小さい方は葉柄に翼がついたもの。大きいほうが本来の...

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赤い果実・柿

我が家の富有柿がずいぶん赤くなってきました。「リンゴ(林檎)が赤くなると医者が青くなる」という人もいます。西洋ではトマトだそうですが、「カキ(柿)が赤くなると医者が青くなる」が本来の日本の諺です。カキはビタミンCが豊富で、風邪の予防、免疫力アップに効果的です。私は、この程度のオレンジ色の、ちょっと固めのものが好きです。毎日、食べています・・・^^好みは人それぞれで、真っ赤に熟したトロトロの熟柿が好きと...

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丹波霧

きのうは比較的温かかったのに、今朝は放射冷却で今シーズン初めて氷点下になりました。こんな日は、濃霧に包まれます。今朝の丹波市氷上町付近。これを「丹波霧」と呼んでいます。加古川沿いに延々と続く桜並木がすっかり霧の中。川面から湯気が立ち上っているのがわかります。水は温まりにくく冷めにくいので、水温はきのうの高い状態を維持します。一方、気温は、晴れると放射冷却によって一気に下がります。お風呂と同じで、水...

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赤い果実・七竈

きのう、ハチ高原の雪の中で見たナナカマド(七竈)の果実です。ナナカマドは紅葉も美しいのですが、もうすっかり葉っぱを落として果実だけ。雪景色の中に、赤い果実が目立っておりました。でも、まだ苦いんだそうです。かじってみたことはありませんが・・・。だから、鳥たちはまだこの果実を食べません。冬の寒さの中で、徐々に苦みが消えていくのだそうです。そして、逆に糖分が増していきます。真冬、鳥たちが餌不足になった頃に...

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最も遅い初冠雪

兵庫県の最高峰・氷ノ山(標高1510m)も初冠雪とのことで、撮影に行ってきました。例年なら11月上旬~中旬なのですが、記録が残る1985年以降で最も遅い初冠雪だそうです。我が家の付近では、気温10℃。ときどき晴れ間も見られましたが、氷ノ山に近づくと雨。そして、大久保の民宿街では雪に変わりました。気温2℃。雪をかぶった氷ノ山の姿は、吹雪のため見えません。ハチ高原に上がると、この景色。雪が舞っています。標高は約800m...

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プロフィール

丹馬

Author:丹馬
落語と授業の合い間に生き物を中心とした写真を撮っています。
兵庫県の北部・中部がおもなフィールドです。

いらっしゃい!

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