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記事一覧

薄の穂の開閉

ススキ(薄)の季節です。ススキの穂に目を近づけてじっくり観察してみると面白いです。ススキの穂は、はじめは↑このようにまとまっています。そのうち、穂が広がってきます。この状態のとき、遠くから見ると赤っぽく見えます。それは、花が咲いているからです。花といっても花びらはありません。雄しべと雌しべがあるだけです。ススキは風媒花なので、穂を広げて風をいっぱい受けて花粉を飛ばします。↑花をアップしてみます。オレ...

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ひっつき虫・金水引

8月から黄色い花を咲かせていた道端のキンミズヒキ(金水引)です。結実して、円錐形の果実をたくさんつけています。これが「ひっつき虫」の1つ。ヒトの衣服や獣の毛に付いて運ばれ、散布されます。この果実をアップすると…とげがいっぱいあって、とげの先がかぎ状に曲がっています。このかぎでくっつきます。マジックテープの原理です。というより、植物のかぎ状のとげをヒントにマジックテープが誕生しました^^1日1回、↓ポチッ...

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秋の似たもの同士・その3

いつものウォーキングコースの川沿いに、ヒヨドリバナ(鵯花)が咲いています。ヒヨドリが鳴く頃に咲くことからの命名だそうですが、ヒヨドリは年中鳴いています。春から夏が繁殖期で「ヒーヨ、ヒーヨ」とけたたましい鳴き声が響き渡ります。秋から冬は「ピーピーピッ」というような鳴き声です。いずれにしても、ヒヨドリバナの花が咲く8~10月とは合致しないように思います。フジバカマの花とそっくりです。筒状花から2本の長い...

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栗は果物

ヒガンバナもそろそろ終わりです。丹波篠山では、いまクリ(栗)の収穫が盛んに行われています。丹波栗の多くは「銀寄(ぎんよせ)」という品種。大粒で美味しいのが特徴です。先日、丹波栗を使った「和のモンブラン」を頂きました。とっても美味しゅうございました。頼まれたわけではないけれど、宣伝しておきます。クリは雌花が3つずつ1セットになっていますから、果実(クリの実)が3つずつ入っています。農林水産省の定義で...

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向日葵と彼岸花のコラボ

豊岡市日高町国府のヒマワリ(向日葵)が満開です。ヒマワリは種子を蒔いて約2週間で発芽。発芽して約2か月で開花します。日照時間とは無関係に開花します。だから、ちょっと遅めに種子を蒔けば開花を遅くすることができます。ヒマワリとヒガンバナ(彼岸花)のコラボも可能というわけです。ヒマワリはたいてい東を向いて開花していますが、たまにちょっとずれた方角を向いているものも。ずれた2つの花がご挨拶^^1日1回、↓ポチ...

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干し藁の整列

稲刈りの後の田んぼのこの風景。最近、あまり見られなくなりました。丹波篠山市では、まだあちこちに見られる風景です。円錐形に組まれた藁の束がきれいに並びます。運動会でグランドに整列した子どもたちのようです。この藁は、丹波篠山特産の「山の芋」の栽培に欠かせません。畑の土にかぶせて雑草の生育を抑えるとともに、保湿・保温の効果もあります。防草シートよりも美味しい「山の芋」ができるといいます。それに、ビニール...

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秋の似たもの同士・その2

ナミアゲハ(並揚羽)とキアゲハ(黄揚羽)を紹介します。「秋の…」と言わなくても、両方とも春から飛んでいる!とツッコミが入りそうです。でも、白っぽいナミアゲハも晩夏~秋にはやや黄色っぽくなるんです。↑こちらがナミアゲハ。幼虫はミカン科の植物の葉っぱを食べます。ユズやサンショウの近くでよく見かけます。一方、↓こちらがキアゲハ。幼虫はセリ科の植物の葉っぱを食べます。セリ、ニンジンなどがある畑や開けた草地で...

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藤袴に来た浅葱斑

アサギマダラ(浅葱斑)が来ていることを期待して、豊岡市加陽(かや)の水辺公園に行ってみました。ヒトの背丈より高くなったフジバカマ(藤袴)の群落を覗いて見ると…いました! アサギマダラ。浅葱色とは青緑色のこと。翅の白っぽい部分が淡い青緑色をしていることからの命名です。秋には、北から南西諸島や台湾に向かって南下します。その途中にここに立ち寄ってくれました。↑この個体は、後翅に黒い斑がありますので雄です。...

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彼岸花2021・その4

ヒガンバナ(彼岸花)の真っ赤な世界をお楽しみください。燃え立つ炎のような色。「ヒガンバナを家に持ち込んだら火事になる!」という言い伝えがあります。いろいろ理由があるのですが、単純に炎を連想してしまう鮮やかさです。感覚的にそうかもしれない!と思い込ませる説得力があります^^ヒガンバナにやって来たナミアゲハ(並揚羽)。ヒガンバナにはモンシロチョウやキチョウはやって来ません。来るのはアゲハの仲間です。それ...

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中秋の名月が満月

中秋の名月っていつも満月かと思ったら、そうではないらしい。旧歴の8月15日の夜の月が中秋の名月。必ずしも満月ではないのだそうな。中秋の名月が満月になるのは、8年ぶりのことだそうな。その満月の中秋の名月を、ホワイトバランスをいろいろ変えて撮ってみました。こんな遊びができるからカメラは楽しい。8年ぶりだと聞いて中秋の名月が満月なのは珍しいのかと思ったら、これがまたそうでもないらしい。今年から3年連続で、...

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露虫の鳴き声

ツユクサ(露草)は、朝咲いて昼にしぼんでしまうという儚さからの命名だそうです。とすると、このツユムシ(露虫)も儚い、弱々しいイメージからの命名でしょう。キリギリスの仲間なのですが、キリギリスと違って完全な草食性です。しかも、柔らかい部分しか食べられず、新芽や花、つぼみなどを食べています。珍しいわけではありません。草むらでよく見つけられます。春に孵化した幼虫が6月に成虫になり、その子どもがいまの時期...

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彼岸花2021・その3

朝来市の伊由市場にヒガンバナ(彼岸花)の群生地があると、妻に教えてもらって現地へ。道路沿いの竹林に守られるように、たくさんのヒガンバナが咲いています。午前中に行ったときは曇り空だったのですが、昼ご飯を食べている間に晴れ間が出てきました。帰りにもう一度立ち寄って撮影。↑これは曇り空のときの1枚。クロアゲハとヒガンバナ。↓こちらは晴れたときの1枚。陽射しの有無でこんなに変わるんだというのがよくわかりまし...

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彼岸花2021・その2

台風の影響はいかがでしたか? 被害はありませんでしたか?当方は、雨も風も大したことはありませんでした。きょうはときどき晴れ間が現れるものの、一日中雨が降ったり止んだりです。雨に打たれたヒガンバナ(彼岸花)の花びらや雄しべ・雌しべに水滴がついていて、これもまたいい感じ。今年はヒガンバナの旬が早くやって来て、早く終わりそうです。しばらくヒガンバナを撮ります。1日1回、↓ポチッとお願いします。大変励みにな...

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蔓人参のバルーン

台風接近で天気は下り坂です。被害が出ないことを祈ります。道端で見つけた花を前に、「これ、何やったかなぁ?」と独り言。久しぶりに出会うと、名前がすぐに出てきません。そんなことが最近よくあります。困ったもんです^^何かの拍子にフッと思い出します。「あぁ、そうそう、ツルニンジン(蔓人参)!」ツルニンジンのポリネーター(送粉者)はスズメバチのようです。まわりにスズメバチがウロチョロしてたのですが、撮れません...

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彼岸花2021・その1

今年の彼岸の入りは9月20日、中日は9月23日です。例年のことですが、彼岸の入りより少し前にヒガンバナ(彼岸花)の盛りを迎えます。それでも、今年はちょっと早いような気がします。鮮やかな赤色、独特の形、花の後で葉っぱが出て初夏に枯れるという珍しい生活史…とっても魅力的な被写体です。稲穂を背景に。アキアカネと。真上から。5~7つの花が輪生状に外側を向いて咲きます。1つの花には、雄しべ6本。雌しべ1本。雄し...

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夏茜の産卵

きょうも赤トンボ。ナツアカネ(夏茜)です。稲刈り前の田んぼの上を、ナツアカネのペアが連なって飛んでいます。前が雄、後ろが雌。雄は雌の首根っこ…ではなくて、頭のてっぺんを押さえています。雌が腹部をピョコンピョコンと振りながら産卵しています。高さは地上1mくらいです。この高さの空中から卵を振り落とすのです。「連結打空産卵」といいます。稲刈り前の田んぼですので、水はありません。やや湿っているとはいえ、水...

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秋の似たもの同士・その1

赤トンボの代表は、アキアカネ(秋茜)とナツアカネ(夏茜)でしょう。両方とも6月頃に羽化するのですが、アキアカネはその後、山地の涼しいところに移動します。だから、真夏に平地で見かけるのはナツアカネということになります。ところが、この時期はアキアカネもナツアカネも両方見かけることになります。その見分け方として、図鑑には胸部の黒い線の形で見分けると紹介してあります。アキアカネ♂↑こちらがアキアカネ。胸部の...

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碧色の花蜂

ヤマハギ(山萩)の花を撮っていると、美しいハチがやって来ました。アオスジハナバチ(青筋花蜂)です。アオには「青」「蒼」「碧」があります。「青」は青空のアオ。ブルーです。「蒼」は鬱蒼(うっそう)のアオ。つまりグリーン。「碧」は緑碧玉の色ということで、青緑色。このハチの腹部のスジの色は、強いて言うなら「碧」でしょうか。でも、黄色がかったところ、オレンジ色がかったところもあるんです。後脚にはたくさんの花...

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藤袴に来た蝶たち

豊岡市の「加陽」。難読地名の1つでしょう。これで「かや」と読みます。加陽の水辺公園のフジバカマ(藤袴)が地区の皆さんの手で保護、育成されています。フジバカマは「秋の七草」の1つで昔から親しまれてきた植物なのに、生育地が減少しています。環境省のレッドリストでは準絶滅危惧種、兵庫県ではAランクに指定されています。アサギマダラ(浅葱斑)が来ていることを期待して訪れてみました。残念ながらアサギマダラには出会...

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釣船草と虎丸花蜂

先日、雨の日のツリフネソウ(釣船草、吊舟草)をご紹介しました。きょうは晴れた日のツリフネソウです。ツリフネソウの群落にたくさんのトラマルハナバチ(虎丸花蜂)が来ていました。次は、1つのツリフネソウの花に注目して撮った連続写真です。後脚に白い花粉団子をつけたトラマルハナバチがやって来ました。ハチの仲間は同じ種類の花を次々と訪れますので、白い花粉はツリフネソウの花粉です。下の花びらを足場にして、頭から...

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小翅の稲子

先日、ハネナガイナゴ(翅長稲子)を紹介しましたが、きょうはコバネイナゴ(小翅稲子)です。↑この通り、腹部の先端のほうが翅の先よりも長くなっています。翅が短いので飛ぶのはやや苦手。飛び跳ねますが、すぐ近くに着地します。中には、翅の長いタイプの個体がいて、そうなるとハネナガイナゴと区別しにくくなります。我が家の近所では、コバネイナゴとハネナガイナゴの両方が見られる田んぼが多いように思います。両方とも見...

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秋茜の雌雄

きょう、今シーズン初めてヒガンバナが咲いているのを見ました。秋です。田んぼのまわりの電気柵の電線にアキアカネが止まっています。黄金色のイネを背景に撮ってみました。赤いのが雄、赤くないのが雌かと思うと、必ずしもそうではありません。未成熟な雄は赤色ではありません。雌には成熟しても腹部の背側が褐色のままのものと、背側が赤色になるものがあります。↑これは腹部の背側が赤色の雌です。では、雌雄をどこで見分ける...

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雨の釣船草

季節は着実に進んでいます。我が家の近くにツリフネソウ(釣船草、吊舟草)の群落があります。先日から少しずつ花を咲かせ始めました。きょうは雨、せっかく咲いたツリフネソウの花ですが、ハナバチたちはやって来ません。ガクが花びらと同じような色をしていて、一緒になって面白い形の花をつくります。後方にクルンと巻いた距は、下側のガクが変化したもの。ここに蜜が溜まります。特定の大きさのハナバチだけがこの花の中に潜り...

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美しい赤蜻蛉

広島カープ、坂倉くんの逆転サヨナラ3ランホームラン!!記念の「赤」トンボです。アカトンボという種名のトンボはいません。一般的には、アカネ属のトンボを赤トンボと呼んでいます。アカネ属には、アキアカネ、ナツアカネ、マユタテアカネなど、たくさんの種類がいます。また、アカネ属以外にも、ショウジョウトンボやウスバキトンボなど赤いトンボがいます。広い意味では、これらも赤トンボと言ってもいいのではないかと思いま...

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繁茂する仙人草

今年は道端のセンニンソウ(仙人草)の花がとっても目立ちます。つる植物です。他の植物に絡みついて覆うように成長します。温帯から亜熱帯に分布する植物ですので、今夏の気候がセンニンソウに都合が良かったのかも。暑くて長雨で、高温多湿でしたから。花びらのようなガクが4枚。真っ白で涼しげです。雄しべはたくさん、雌しべは数本。花の後の果実の姿が面白く、センニンソウの名前の由来になっています。果実ができた頃、また...

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翅長の稲子

きょうは久しぶりに良い天気の日曜日。あちこちで稲刈りが始まりました。田んぼの畦を歩くと、イナゴが畦から飛び立ちイネのほうに逃げていきます。よく見かけるイナゴは、コバネイナゴ(小翅稲子)とハネナガイナゴ(翅長稲子)の2種類です。名前の通り翅の長さに注目して、腹部の先端より翅が長いのがハネナガイナゴ。腹部の先端より翅が短いのがコバネイナゴ。よって、これはハネナガイナゴです、たぶん。たぶんというのは、コ...

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顔剃菜と黄揚羽

春から秋までいつも見られるコウゾリナ(顔剃菜)の花。いまがいちばん目立つように思います。タンポポと同じような舌状花の集まりです。でも、タンポポと違って歌や俳句に登場したのを見たことがありません。なぜなのでしょう?きっと、この剛毛がマイナスイメージなのでしょうね。トゲトゲ、ゴワゴワした感じが人を遠ざけてしまうのでしょう。けれど、キアゲハ(黄揚羽)はコウゾリナなどのキク科の花の蜜が好きみたいです。コウ...

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尾長早苗の宝石眼

小佐川沿いでオナガサナエ(尾長早苗)の雄に出会いました。防獣電気柵の電線に止まっていました。雄の尾部の形が独特です。日本特産のサナエトンボの1種です。本州・四国・九州に広く分布するということですが、最近その数を減らしているようです。県によっては絶滅が危惧されています。このトンボ、警戒心というものがほとんどありません。思いっきり近づいても逃げません。だから、こんなアップも撮らせてくれました。なかなか...

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赤米の花

養父市の小佐地区の赤米が花を咲かせています。古代米です。平城宮跡の発掘調査で、小佐地区から奈良の都に赤米五斗を収めたことを示す木簡が出土しました。約1300年前、東大寺の大仏が建立された頃の話です。これに因んで、小佐地区では赤米を植え、地元の小学生が成長観察や稲刈りをします。そして、収穫した赤米を毎年、奈良の文化財研究所に届けるというイベントを続けています。赤飯のルーツと言われるくらいですから、米粒も...

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昆虫の脚の数

生き物の世界って、例外があるから面白いんだと思います。小学3年生で、おもにアゲハチョウやモンシロチョウを例にして昆虫について学びます。「昆虫のからだは、頭・胸・腹に分かれ、あしは6本、はねは4枚です。覚えておきましょう!」これでは、理科は楽しくありません。どこにでもいるヒメウラナミジャノメ(姫裏波蛇の目)です。ジャノメチョウの仲間で最もよく見かける種類です。眼状紋とよばれる黄色い縁取りの目玉模様が...

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プロフィール

丹馬

Author:丹馬
落語と授業の合い間に生き物を中心とした写真を撮っています。
兵庫県の北部・中部がおもなフィールドです。

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