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記事一覧

校庭の苦菜

たまには教室から外に出て、実際に植物を見ながら授業をすることもあります。校庭の樹木や草花も、文字通り生きた教材になります。きょうはその下見で、校内をグルッとひとまわりしてきました。ニガナ(苦菜)が前庭に群落をつくっていました。もちろん植えたものでも育てているものでもありませんが、花壇のようになっています。直径2cm足らずの花ですが、集まると綺麗です。ポッキーのように見えるのが雄しべと雌しべです。美味...

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花詰草

きょうは朝からずっと雨降り。どこへも出かけずにラジオを聞いたり、仕事をしたり・・・。先日撮った鮮やかなシバザクラ(芝桜)の絵をアップします。北米原産で、本来はハナツメクサと呼ばれていたそうです。鼻血が出たときのティッシュのような名前です。漢字で書くと花詰草。鼻詰草ではありませんでした^^クローバーは白詰草。荷物の間にクッション材として詰めたことからの命名だそうです。ハナツメクサもそんな利用をしたのでし...

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羅生門の青鬼か

芥川龍之介の「羅生門」。高校時代に教科書で読みました。生きるためのエゴについて考えさせる作品で、高校生にはインパクトの強い内容です。「下人の行方は、誰も知らない」・・・なんて、カッコいい終わり方をします。さて、↓こちらは、ラショウモンカズラ(羅生門葛)。イチリンソウ(一輪草)と一緒に林の縁に咲いていました。「羅生門」の薄気味の悪いイメージには似合わない綺麗な花です。頼光四天王の筆頭・渡辺綱(わたなべの...

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控えめな宝鐸草

先日まで、トキワイカリソウの花を咲かせていたところです。ここに覆いかぶさるようにホウチャクソウ(宝鐸草)が伸びてきました。「鐸」というのは青銅器の楽器のことなんだそうです。大型の鈴のようなものです。これが仏堂や塔の軒下に飾りとしてぶら下げられているのが宝鐸(ほうちゃく)です。風鐸(ふうたく)とも呼ばれます。柏原八幡宮(兵庫県丹波市柏原町柏原)の三重塔と宝鐸(右)この宝鐸とよく似ているというところか...

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春の舞姫

ウォーキングコースの道端の半日陰にオドリコソウ(踊子草)の花を見つけました。淡いピンク色の可愛い花です。花を笠をかぶった踊り子に見立てた命名です。輪になって踊るのは花笠踊りかな。唇形の花で上唇はかぶとのような形をしています。この上の内側にへばりつくように雌しべと雄しべがあります。下から覗くと↑こんな感じ。先が2つに分かれた雌しべが1本。雄しべは長短2本ずつ、計4本あります。こちらは真っ白なオドリコ...

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続・矢筈豌豆に来る昆虫たち

きのうの「ヤハズエンドウに来る昆虫たち」の続きです。アブラムシ(油虫)は植物の師管から汁を吸っています。植物にとっては害虫です。アブラムシはこの汁を濃縮してお尻から出し、クロヤマアリ(黒山蟻)に与えます。そのため、用心棒のはずのクロヤマアリはアブラムシを追い払いません。それどころか、アブラムシを保護してしまいます。ヤハズエンドウにしてみると裏切り行為です。アブラムシの天敵はテントウムシです。ナナホ...

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矢筈豌豆に来る昆虫たち

標準和名はヤハズエンドウ(矢筈豌豆)、別名カラスノエンドウ(烏野豌豆)です。別名のほうが知られています。小葉の先端が矢筈のように凹んでいることからの命名です。葉っぱの付け根のところに暗紅色の花外蜜腺があります。花外蜜腺の存在はおもにアリをおびき寄せるのに役立っているようです。クロヤマアリ(黒山蟻)がやって来て花外蜜腺の蜜を舐めたり、辺りをウロチョロします。アリだけでなく、アブやハチもやって来ます。...

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新緑の山法師

新緑がまぶしい季節になりました。我が家のヤマボウシ(山法師)の新緑も青空に映えます。28年前に拾ってきた種子を庭に植えたのですが、それが我が家で一番の大木になりました。新緑、花、果実、紅葉と、季節ごとに魅力を見せてくれます。花はまだつぼみです。30個くらいの花が集まっています。花を包んでいたのが4枚の総苞片です。いまは緑色です。これがどんどん大きくなって白くなって花びらのようになっていきます。こちらは...

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白い常盤碇草

毎年、この時期になると、この花を撮っています。トキワイカリソウ(常盤錨草、常葉碇草)です。面白い形の花です。ウォーキングコースの道路沿い、林の縁のあまり日が当たらないところに咲いています。花の上を葉っぱが覆っていて、花はやや下向きに咲きます。下の方からやって来る昆虫にアピールしているようです。これだけ奇抜な形をして距に蜜まで用意しているのに、昆虫がやって来たところを見たことがありません。花粉を運ぶ...

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法法華経

人の言葉を喋るウグイスが登場する「鶯のほろ酔い」という古い小噺があります。ウグイスが「酒を呑みたい」というので、飼い主が呑ませます。ほろ酔いになったウグイスは「酔っぱらったので今度は白湯を飲みたい」。酒を燗をした湯を飲ませると、「熱ッ!」と縁側の手水鉢のところへ飛んで行きます。飼い主が「これこれ、どこへ行く」というと、ウグイスが「あんまり熱いので、ウメに行きます」。こちらはほろ酔いどころか、シャキ...

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枝垂れ桜と芝桜

遅咲きではありますが、ヤエベニシダレザクラ(八重紅枝垂れ桜)がまだ咲いていました。ここは兵庫県三田市母子(もうし)。標高約500mの涼しいところです。今シーズン最後のサクラの絵のアップになるかと思います。咲き始めの頃は紅色なのですが、満開を過ぎると淡い色に変わってきます。シバザクラを背景に。シダレザクラとシバザクラの競演です。1日1回、↓ポチッとお願いします。大変励みになっています。植物・花ランキングこ...

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唐茱萸の星状毛

トウグミ(唐茱萸)の花にクマバチがやって来て、吸蜜しています。トウ(唐)と付くから中国原産かと思ったら、日本原産のナツグミ(夏茱萸)の変種だそうです。クリーム色の花にはオレンジ色の斑点があってあまり綺麗とは言えません。けれど、夏には果実が赤く熟し、美味しく食べられます。葉っぱにも細かい斑点がたくさん見られます。これを顕微鏡で見ると、思いのほか綺麗なんです。葉っぱの表側の表面です。星状毛と呼ばれる放...

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栄冠

近くの高校の中庭に植えられているゲッケイジュ(月桂樹)に花が咲いています。ゲッケイジュはギリシャ神話では聖なる植物。勝利と栄光のシンボルです。月桂樹の枝や葉っぱでつくった冠が月桂冠。マラソンの優勝者に贈られます。オリーブ、コルクガシなどとともに、地中海沿岸の硬葉樹林の代表的な植物です。葉っぱを乾燥させたものが煮込み料理に使うローリエ。雌雄異株で、日本には雄株が多いようです。挿し木でふえるし、使うの...

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鷺苔の作戦

田んぼの畦に生えているサギゴケ(鷺苔)、別名ムラサキサギゴケ(紫鷺苔)です。コケと付きますが、もちろんコケではなく被子植物です。唇形の花の下唇が3つに裂けていて、鳥のように見えなくもありません。上唇の内側にへばりつくように雌しべが1本。その先端の柱頭はキャッチャーミットのような形をしていて、ふだんは開いています。その下方に雄しべの葯がありますが、覗き込まないと見えないような位置にあります。ヒメハナバ...

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どの花見ても

「2021たんとうチューリップまつり」で撮ったチューリップの続きです。約300品種が植えられているそうですので、その中のほんの少しを紹介します。ダーウィンオレンジ。大きめの花で、鮮やかな赤色とオレンジ色が強烈です。ゴールデンエンパイヤステート。青空がよく似合う鮮やかな黄色。アウトフィット。赤くて大きな花に白い縁取りがあります。オリンピックフレーム。黄色地に赤色のスジが入っていて華やかです。オリンピックと...

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並んだ並んだ

「2021たんとうチューリップまつり」に行ってきました。豊岡市但東町の「たんとう花公園」に100万本のチューリップ。見事です。今年のフラワーアートは、コロナ禍の終息を願って「アマビエ」が描かれています。この絵だけで10万本だそうです。きょう4月15日からオープンの予定だったのですが、12日からオープンに変更されました。温かくて早まったようです。天候によりますが、見頃は20日くらいまでだそうです。♪赤・白・黄色・・・...

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里山の春を彩る

先日、生野銀山のヒカゲツツジ(日陰躑躅)の群落を見に行きました。例年ならちょうどいい時期なのですが、今年はもう花期も終わりのようで傷んだ花が目立ちました。今年は季節の進行が早くて、頭のほうが追いつきません。ヒカゲツツジの撮影はまた来年に。代わりに、いま山でいちばん目立つコバノミツバツツジ(小葉の三葉躑躅)を撮ってきました。3月下旬からヤマザクラ(山桜)とともに春の里山を彩ってくれています。ヒカゲツ...

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杉菜の胞子の運動

ほとんどのツクシ(土筆)が胞子を飛ばしてしまい、緑色のスギナ(杉菜)が茂ってきました。でも、まだ↓こんなふうに胞子を飛ばしていないツクシも残っています。こんなツクシを採ってきて、冷蔵庫の野菜室に保存しています。高校の「生物基礎」の最初の授業で、ツクシの胞子を観察材料に顕微鏡の使い方を教えるためです。スライドガラスの上で、ツクシをトントンと軽く叩くようにして胞子を落とします。カバーガラスをかけないで...

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裏紅一華

毎年同じ時期に同じような植物を撮っています。でも、年によって微妙に花のようすが違っています。イチリンソウ(一輪草)も今年は開花がちょっと早くなっています。我が家の近くの雑木林と畑の間の土手に生えています。昨年のいま頃はまだつぼみのものが多かったのですが、今年は目いっぱい開花しています。花の直径は4cmくらい。ニリンソウと比べると2倍くらいあります。直径が2倍ということは面積は4倍ですから、見た目には...

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桜と残雪の氷ノ山

氷ノ山の残雪を背景に旧熊次小学校の校庭から見る桜が絵画のように美しい・・・という神戸新聞の記事に誘われて、現地に行ってみました。平地のソメイヨシノ(染井吉野)はほぼ散ってしまいましたが、ここは標高530m。満開は過ぎたものの、まだたくさんの花が残っていました。旧熊次小学校の校舎や校庭は、現在、熊次コミュニティスポーツセンターとして利用されています。4月の日曜日は地元の方がカフェを開いておられ、サクラを眺...

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神鍋山の蕨

今年は何もかも早いようです。神鍋山にもうワラビ(蕨)が出始めていました。土壌の栄養条件が関係するのでしょう。↑この辺りは細いものが多いようです。場所によっては太いものがたくさん顔を出しています。ワラビの地上部はすべて葉っぱです。地上部の茎のように見えるのは葉柄です。茎は地下に張り巡らされています。ワラビが顔を出すときには、↑こんなふうに葉柄を先頭にして出てきます。葉っぱに展開する部分は柔らかいので、...

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山吹色

きのうの桃色に続いて、きょうは山吹色。「越後屋、そのほうも悪よのぉ、ふふふ」「お代官様こそ、うふふふ・・・」この場面に登場するのが、菓子折に入った「山吹色」。「山吹色」は江戸時代の賄賂を意味する隠語だったそうです。ヤマブキ(山吹)の花の色が小判をイメージさせたということでしょうか。黄色よりもちょっと赤味を帯びた鮮やかな色。小学生のとき、山吹色が黄色の1種だと思っていて「ヤマブって何?」って聞いてきた友...

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桃色

ピンク色=桃色かと思ったら違うようです。ピンク色とはナデシコの仲間の色で、いわば撫子色。JISではピンク色より桃色のほうがちょっと赤味が強いとのことです。よくわかりませんが。↑桃色のハナモモ(花桃)。果実を食用にする品種がモモ(桃)で、花を観賞する品種がハナモモなんだそうです。ハナモモには果実が実らないわけではなくて、食用には適さないというだけです。桃色の花びらが5枚、雄しべがたくさんあるのが本来の姿...

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黒くない河鵜

円山川やその支流にはたくさんのカワウ(河鵜、川鵜)が生活しています。糞害を考えるとカワウの増えすぎは困りますが、円山川の魚が豊富であるという証拠でもあります。全身ほぼ真っ黒なカワウですが、こんなふうに頭が白くなっている個体を見かけます。腰の部分にも真っ白な羽が目立ちます。これは婚姻色で、繁殖期に入った個体です。雄だけかと思ったら、雌も同じように婚姻色を呈します。一方、胸から腹にかけて白くなっている...

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旅立たない真鴨

ソメイヨシノがほとんど散ったというのに、小佐川にまだマガモ(真鴨)がいました。しかも、雄が2羽。冬の間にカップルが誕生して、そろって北に向かうはずだったのに…相手が見つからなかったのかなぁ。それともいま話題の同性カップル?^^異性のカップルでなければ、繁殖地へ行ってもしょうがないのかな?ならば、来シーズンまでここにいた方が楽で安全!…カモね。1日1回、↓ポチッとお願いします。大変励みになっています。植物...

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花筏

「花筏」という落語があります。大関の名前ですが、その大関は一度も登場しないという面白い噺です。その噺とは何の関係もないですが、こちらも花筏。4月3日撮影散ったサクラの花びらが川面を流れていきます。まさに「諸行無常の響きあり」「盛者必衰の理をあらはす」ですね。風が吹くと、一方の川岸に吹き集められ、風向きが変わると一気に流されていきます。どなたの作か失念しましたが、「はないかだ 風が吹くたび 向きを変...

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桜並木

満開を過ぎ、きょうは朝から花散らしの雨。一気に散っていきます。名残を惜しみながら、近隣の桜並木をいくつかご紹介します。4月1日撮影↑豊岡市日高町広井のソメイヨシノの桜並木。阿瀬川の小さな支流の両岸に植えられています。川幅が狭いので、両岸の桜の枝が触れ合うほどで、桜のトンネルの中を川が流れています。3月31日撮影↑養父市八鹿町下網場(しもなんば)の桜並木。濃いピンク色で一重の大輪の花を咲かせています。カ...

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おまき桜

サクラの中でも特に巨木が多いのがエドヒガン(江戸彼岸)。兵庫県内で最大と言われる「おまき桜」もエドヒガンです。豊岡市竹野町椒(はじかみ)の㯮椒(ほそき)神社の境内にあります。4月1日撮影「お」というのは麻のことだそうです。麻の種子を蒔く時期の目安にされていて、この桜が満開になると種蒔きをしたのだそうです。昔の人々は自然からの情報をうまく利用して生活をしていたんですね。人々の暮らしと密接に結びついて...

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大同寺の八重紅枝垂れ

朝来市山東町の大同寺は奈良時代に創建されたという古刹です。たくさんの種類のサクラが植えられていて、それぞれ満開です。中でも一際目を引くのが本堂の前の2本のヤエベニシダレ(八重紅枝垂れ)。つぼみは深紅。開花すると淡いピンク色です。小輪ながら優雅な雰囲気を漂わせています。八重の花は雄しべが花びらに変化したものが多いのですが、特に雄しべが少ないわけではありません。所在地:兵庫県朝来市山東町早田417 大同...

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丹波の桜堤

丹波市の加古川堤の桜並木です。約1000本のソメイヨシノ(染井吉野)並木が約5kmに渡って続きます。近畿豊岡自動車道の氷上ICから青垣ICまで、この桜並木が自動車道に並行しています。桜並木を脇目に自動車道を走るのも気持ちがいいのですが、ICから降りて眺めるのがおススメ。満開のソメイヨシノの下を自転車で走る人、ウォーキングする人、ジョギングする人。ときどき吹き抜ける風に花びらが舞います。所在地:兵庫県丹波市氷上...

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プロフィール

丹馬

Author:丹馬
落語と授業の合い間に生き物を中心とした写真を撮っています。
兵庫県の北部・中部がおもなフィールドです。

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