突然変異
- 2020/04/30
- 21:00

「高校生のための生き物学習」の第2弾です。きょう撮った写真をもとに構成していきますので、きのうの話とは何の関係もありません。脈絡なく、行き当たりばったりです。ご容赦ください。我が家の近くをウォーキングしていて、↓こんなシロツメクサを見つけました。ちょっと変わっているでしょ。花が2段重ねになっています。シロツメクサ(別名クローバー)はヨーロッパ原産の外来種です。(あ、きのうの話とつながった^^)1846年...
外来種と在来種
- 2020/04/29
- 21:00

兵庫県では、新型コロナウイルス感染拡大で休校期間がまた延長です。きのう「県立高校、特別支援学校は5月31日まで休校期間を延長する」という発表がありました。そこで、この写真ブログを「高校生のための生き物学習」の場にします。高校の「生物」や「生物基礎」に登場する生物や生物学用語について、写真と文で紹介していきます。生き物を身近に感じ、高校生の皆さんに興味を持ってもらえば幸いです。授業の代わりにはなりませ...
雀の鉄砲
- 2020/04/28
- 21:00

昆虫でスズメと名が付くと、スズメバチやスズメガのように「大きい」の意味になります。スズメと見間違えるくらいということなんでしょうね。一方、植物の場合は、スズメと名がつくと「小さい、可愛い」の意味になるから面白いです。スズメノテッポウ(雀の鉄砲)とスズメノカタビラ(雀の帷子)です。スズメノテッポウは、棒状の穂を鉄砲の銃身に見立てての命名でしょう。帷子(かたびら)は裏のない麻の着物のこと。浴衣(ゆかた...
可愛い蔓鹿子草
- 2020/04/27
- 21:00

「鹿の子絞り」という手間のかかる絞り染めの着物の模様を「鹿の子模様」といいます。そんな高級な着物は持っておりませんが、模様ぐらいはわかります。その「鹿の子模様」を連想させるというのでカノコソウ(鹿子草)。↑これはその仲間で、ツルカノコソウ(蔓鹿子草)といいます。花びらは白いのですが、つぼみが淡いピンク色でとっても可愛い花です。このまま着物の柄になりそうです。ウォーキングコースの林の縁に咲いておりま...
貸し借りん
- 2020/04/26
- 21:00

新型コロナウイルスのせいで、長い間、高座からも授業からも遠ざかっています。日常生活では大きな声を出さないせいか、のどの調子がいまひとつです。こういうときは、「はちみつカリンのど飴」が欲しくなります。きょうは、そのカリン(花梨)の花。秋には大きな黄色い果実がなります。果実をカリン酒として楽しまれる方もありますが、花も楽しめますね。淡い紅色の5枚の花びらが可憐です。若葉も黄緑色のもの、やや褐色がかった...
白花蒲公英の花の開閉
- 2020/04/25
- 21:00

コロナ禍で休校が続いています。このままでは学校が再開されても、夏休みが短くなったり、なくなってしまうかもしれませんね。そこで提案ですが、いまこの時期に夏休みにやるはずの自由研究をやってみたらどうでしょう。西日本の郊外に住む小中学生にオススメの自由研究です。我が家の近くのシロバナタンポポの1つに注目して、1時間ごとに撮影してみました。天気は晴れときどき曇り。11時から始めて翌日の12時までの撮影です。夜...
テカテカ金鳳花
- 2020/04/24
- 21:00

和名はウマノアシガタ(馬の足形)という変な名前です。根元の葉っぱの形が馬の蹄に似ているということなんですが、全然似ていません。別名のキンポウゲ(金鳳花)のほうがピッタリなので、ここではキンポウゲとします。日当たりのいい土手に咲くキンポウゲです。陽光に照らされてテカテカ光ってとっても綺麗です。輝く花びらに惹かれてやって来たのはミナミヒメヒラタアブの雄です。たくさんの雄しべが外側に倒れるように位置して...
通草の実が少ない理由
- 2020/04/23
- 21:00

寒の戻りで肌寒いですが、今年は暖冬でアケビ(木通、通草)の花も早く咲きました。私のウォーキングコースでもずいぶん前からよく見かけます。花が咲いているときには見つけやすいので、いまのうちに見つけておいて秋の果実を楽しみにします。それまで場所を覚えておかなくっちゃ。アケビはつる性の植物です。右肩上がりに巻きついて伸びていきます。ギザギザのない楕円形の葉っぱが5枚ついているのが特徴です。花には2種類あっ...
黄色い白花蒲公英
- 2020/04/22
- 21:00

テントウムシが続きました。ここらでまた花に戻ります。タンポポは黄色いものと思っている人が多いようです。でも、我が家の近所では外来のセイヨウタンポポを除くと、多くは白いタンポポです。セイヨウタンポポは1904年に北海道に入ったのだそうです。それが全国に広がりました。したがって、100年くらいまではこの辺りではタンポポは白いものがふつうだったのです。シロバナタンポポ(白花蒲公英)といいます。そのまんまです。...
並天道の遺伝
- 2020/04/21
- 21:00

このブログには、現役の高校生も昔の高校生も訪問してくれています。そこで、きょうはナミテントウ(並天道)の遺伝についてのお話。きのう紹介したように、ナミテントウにはいろんなタイプの模様があります。この辺りで最も多いのが「二紋型」。↑これです。そして、多くはありませんが、↓こういう「紅型」もいます。この「二紋型」と「紅型」を両親として交雑すると、次代は↓こうなります。「変形二紋型」です。不思議でしょ。や...
苦虫の並天道
- 2020/04/20
- 21:00

ナナホシテントウ(七星天道)からナミテントウ(並天道)へバトンタッチ。↑この写真の上にいるのがナナホシテントウ、下にいるのがナミテントウ。大きさは同じくらいです。ナナホシテントウもよく見かけますが、ナミというくらいだから、ナミテントウもよく見かけます。ともに幼虫のときも成虫になってもアブラムシを大好物にしています。そして、ともに攻撃されると死んだふりをして、黄色い嫌な臭いの体液を出します。この液に...
本当は八星天道
- 2020/04/19
- 21:00

きのうに続いてナナホシテントウ(七星天道)です。きょうの写真はヤラセではありません^^我が家の庭にやって来たナナホシテントウ。成虫で越冬するので春先からよく出会います。赤色の地に黒色の斑点が片方の翅に4つずつあります。したがって、斑点は合計で8つあるのです。でも、翅を閉じると、頭に近い方の斑点がくっついて1つに見えるので七星。星が黒色ってちょっとヘンですけど^^この赤色と黒色の目立つ色彩は、警告色と呼...
幸運の象徴ダブル
- 2020/04/18
- 21:00

コロナ禍を避けて遠出はせず、近所をウォーキングしながら毎日撮っています。最近よく見かけるのがナナホシテントウ(七星天道)です。ヨーロッパでは「聖母マリアの使い」とか「神の虫」とか呼ばれているそうで、幸運のシンボルです。そのナナホシテントウが、これまた幸運のシンボルの四つ葉のクローバーにとまりました!ダブルの幸運のシンボルです!!・・・そんな偶然、あるわけないです。ヤラセです^^でも、このヤラセになかな...
常盤錨草とおまけ
- 2020/04/17
- 21:00

毎年、この季節になるとこの花を撮っています。不思議な魅力があって、なんだかウキウキしながら撮っている自分がいます。トキワイカリソウ(常盤錨草、常盤碇草)です。ウォーキングコース沿いの林の縁にたくさん咲いています。船を止めておくための錨に似ていて、冬にも緑色の葉が残るのでトキワイカリソウ。冬に葉を落とすイカリソウは太平洋側、トキワイカリソウは日本海側に自生します。花の上にかぶさるように出てくる新葉に...
雨で飛び散る種子
- 2020/04/16
- 21:00

ネコノメソウとヤマネコノメソウの花を2月26日付のブログでご紹介しました。きょうはその続編です。いまのネコノメソウの様子が↓これです。まだ花もありますが、多くは果実になり、一部の果実は裂開しています。裂開した果実の中に褐色の種子が見えています。この様子が猫の瞳孔に似ているということでネコノメソウ(猫の目草)。猫の目に見えるような2つ並んだものを探したのですが、残念ながら見当たりませんでした。一方、↑こ...
蓮華草と蜜蜂
- 2020/04/15
- 21:00

標準和名はゲンゲ(紫雲英)といいます。でも、ここでは敢えて親しみを込めてレンゲソウ(蓮華草)と書きます。僕が子どもの頃は、↑これがごくふつうの春の風景でした。田植えの早期化と化学肥料の消費で、いまはあまり見られなくなりました。レンゲソウは根粒菌と共生しているため、空気中の窒素を取り込むことができます。緑肥として田んぼにすき込み、窒素肥料の代わりに利用してきました。レンゲ畑(ほんとはレンゲ田んぼだけ...
地味な青木の花
- 2020/04/14
- 21:00

コロナ禍を避けてきょうも自宅の周りをウォーキング。道路沿いの林の縁でアオキの花が咲いているのを見つけました。先月から咲いていたのだと思いますが、小さくて地味な花なので気づきませんでした。アオキは雌雄異株で、↑これは雌株。赤い果実がついています。1つの花は直径1cmくらいで、枝の先にまとまってつきます。雌花をアップしてみます。赤紫色の花びらが4枚。その中央に雌しべがあります。雄しべは見当たりません。近...
たんぽぽのちえ
- 2020/04/13
- 21:00

小学校2年生の国語の教科書(光村図書)に「たんぽぽのちえ」という教材文があります。これに合わせて、セイヨウタンポポの変化を追ってみました。「たんぽぽのちえ」 うえむら としお最初は背が低く、鮮やかな黄色い花を上に向けて昆虫たちを誘います。春に なると、たんぽぽの 黄色い きれいな 花が さきます。二、三日たつと、その 花は しぼんで、 だんだん くろっぽい 色に かわって いきます。倒れることで、...
花も紅い伊呂波紅葉
- 2020/04/12
- 21:00

きょうは一日中雨で、きのう撮った写真です。イロハモミジ(伊呂波紅葉)の新葉が黄緑色で美しく、終わりかけた桜を背景に撮ってみました。点々と紅く見えるのは、イロハモミジの花です。葉っぱの展開と同時に花も開きます。秋の紅葉が人の目をひきますが、花も紅いのです。花はとっても小さくて直径5mmくらいしかありません。その花に2種類あって、雄しべだけの雄花と、雌しべと雄しべがそろった両性花があります。1本の木にこ...
土筆が生えてくる条件
- 2020/04/11
- 21:00

高校で「生物基礎」を担当するときは、毎年4月にツクシ(土筆)を採ります。顕微鏡の使い方をマスターするときの観察材料として、スギナ(杉菜)の胞子を使うからです。今年もウォーキング中に100本ほどのツクシを採りました。でも、5月6日まで休校では、ツクシの出番はいつになることやら・・・。それまで我が家の冷蔵庫の氷点下ストッカーで保存できるでしょうか? 心配です。いつも採集するところでは、↑この通り、例年と同じ...
春の妖精のトリ
- 2020/04/10
- 21:00

新型コロナウイルス感染症対策で遠出はせず、カメラ片手にいつもの道をウォーキングです。近所を歩くだけでいろんな花や昆虫に出会えます。きょうはイチリンソウ(一輪草)の自生地に寄り道してきました。イチリンソウの仲間では、ユキワリイチゲが最初に開花します。続いて、アズマイチゲ、キクザキイチゲ、ニリンソウが開花します。そして、この仲間のトリを飾ってイチリンソウの開花です。皆、初夏には地上部が枯れてしまうスプ...
夏茱萸と目白
- 2020/04/09
- 21:00

サクラと同じ季節にナツグミ(夏茱萸)の花が咲いています。「茱萸」と書いてグミと読みます。読むのも書くのも難しいです^^サンシュユ(山茱萸)のときにはなぜかシュユと読みますが・・・。ナツグミの花はサクラに比べると、ずいぶん地味です。開花したばかりなのでいまは淡い黄色です。そのうちもっと黄色っぽくなってきます。ラッパのような形をした花が垂れ下がっています。雌しべが1本、雄しべが4本。花びらに見えるのはガク...
小葉の三葉躑躅の花盛り
- 2020/04/08
- 21:00

いま但馬の山では、ヤマザクラの花が終わり、コバノミツバツツジ(小葉の三葉躑躅)の花盛りです。山のあちこちにピンク色の花が目立ちます。これも暖冬の影響で、例年よりずいぶん開花が早かったように思います。中部地方などでは、ミツバツツジとコバノミツバツツジの両方が見られるようですが、当地でこの時期に見られるツツジはコバノミツバツツジです。枝の先に葉っぱが3枚輪生するので「三葉」、ミツバツツジより葉っぱが小...
篠山城跡の桜、満開
- 2020/04/07
- 21:00

篠山城跡周辺は兵庫県下で屈指の桜の名所です。毎年、三の丸広場で「丹波篠山さくらまつり」が開催され、約2万人の観光客で賑わいます。今年も4月4日・5日に予定されていましたが、やはりコロナ対策で中止になりました。近所の方が犬と散歩をされているのと、お年寄りがグランドゴルフを楽しんでおられる程度です。篠山城跡の桜は、大正元年に東堀周辺にソメイヨシノが植栽されたのが始まりだそうです。その後、城跡周辺や王子...
丹波吉野
- 2020/04/06
- 21:00

丹波市と丹波篠山市の境界に鐘ヶ坂峠があり、ここにトンネルが3本あります。1つの峠に3本ものトンネルが掘られているのは全国的にも珍しいのだそうです。最も古いのは明治16年に開通した明治のトンネル。レンガ積み工法としては日本最古のトンネルです。次が昭和42年開通の昭和のトンネルで、現在使われているのが平成17年開通の平成のトンネル。その明治のトンネルの開通を記念してたくさんの桜が植栽されたそうです。それが立...
正福寺桜、満開
- 2020/04/05
- 21:00

学名に「但馬」が入っているサクラがあります。その学名は「Prunus ×tajimensis Makino」。「Prunus」はサクラ属、×印は種間雑種であることを意味します。「tajimensis」は但馬に産するということ。牧野富太郎先生による命名です。和名はショウフクジザクラ(正福寺桜)。正福寺は、湯村温泉の源泉「荒湯」のそばの夢千代像の近くのお寺です。牧野富太郎先生がここで見つけて学会に報告されたので、この名前がついています。とて...
有子山へ
- 2020/04/04
- 21:00

出石の有子山に初めて登ってきました。有子山城は1574年に山名祐豊(やまなすけとよ)が築いた山城です。出石城の背後の有子山(標高321m)の山頂にあります。まずは、出石城からの景色をどうぞ!満開のソメイヨシノと出石の町を見渡せて、いい眺めです。ここから有子山城跡を目指します。約1時間の登山です。有子山は標高321mですから東京タワーより低いのです。出石の町の平地が標高14mくらいですから、登る高さは300mちょ...
清滝小学校の大桜
- 2020/04/03
- 21:00

樹齢1000年と言われる樽見の大桜はエドヒガンです。樹齢約500年の大屋町糸原のミズメ桜も、竹野町中村のおまき桜もエドヒガン。但馬にみられる長寿の桜はほとんどエドヒガンです。ソメイヨシノでそんな長寿の桜を聞いたことがありません。それもそのはず、ソメイヨシノがつくられたのは江戸時代の末期。ソメイヨシノが誕生してから長めにみても200年くらいしか経っていないのです。50~60年で樹勢が衰えていくとも言われていますが...
小佐川の桜並木
- 2020/04/02
- 21:00

兵庫県は瀬戸内海にも日本海にも面しています。そこで、川沿いに桜並木をつくり、瀬戸内と日本海側をつなごうという計画が実行されました。平成3年~12年のことです。名づけて「ふるさと桜づつみ回廊」計画。具体的には、武庫川~篠山川~加古川~円山川を5万本の桜でつなぎます。植え始めてから29年が経ち、桜の木はずいぶん立派に成長しました。おかげで兵庫県内では各地で、川沿いに延々と続く桜並木を見ることができます。き...
春の妖精、山延胡索
- 2020/04/01
- 21:00

先週からヤマエンゴサク(山延胡索)が咲き始めました。初夏には地上部が枯れてしまうスプリング・エフェメラル(春の妖精)の代表です。花の色は淡い紫色ですが、青色に近いもの↑や赤紫色に近いもの↓など変化に富んでいます。とっても面白い形の花で、花の後方には長い距(きょ)があります。ここから蜜が分泌されます。花を後方から見ると、花の下に小さな葉っぱのような苞があります。つぼみを包んでいた部分です。これがまた可...