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記事一覧

近年増加、荒地盗人萩

休耕田の草むらにアレチヌスビトハギ(荒地盗人萩)の花が咲いていました。ヌスビトハギは在来種ですが、アレチヌスビトハギは北米原産の帰化植物です。子どものころには見かけなかった植物です。名の通り、荒れ地や休耕田に入り込んできます。花はヌスビトハギよりも大きく8mmくらいです。旗弁の基部に黄緑色の斑点が2つ。寄り目をした変顔のようにも見えてきます。果実は、ヌスビトハギよりも厄介なひっつき虫です。果実が実っ...

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秋の七草・撫子

秋の七草に入れるのは不思議なくらい、早くから咲いているカワラナデシコ(河原撫子)です。ナデシコ(撫子)ともヤマトナデシコ(大和撫子)とも言います。「大和撫子」とは「清楚で凛としていて、控えめで奥ゆかしくて、でも心の強さをあわせもつ日本女性」だそうです。こういう女性観をどう評価するかはさておき、この花を見てそういう女性を連想したセンスはいいなぁと思います。カワラナデシコの雄しべは10本、雌しべの花柱は...

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秋の七草・藤袴

きょうはときどき強い風が吹いたり、猛烈な雨が降ったり。昼食を食べに出たついでに豊岡市加陽(かや)の加陽湿地に立ち寄ってきました。ホンモノの野生のフジバカマが風に揺れていました。園芸店で購入できるのはたいていはサワフジバカマで、フジバカマとサワヒヨドリの雑種です。ホンモノのフジバカマは環境省のレッドリストで準絶滅危惧種です。サワフジバカマはもっと紫紅色が強いのですが、フジバカマのこの淡い色合いが魅力...

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盗人の足跡?

九州のほうは河川氾濫や土砂災害で大変なことになっています。これ以上の災害が起こらないことを祈るばかりです。こちらはまだ大雨にはなっていませんが、雨が降ったり止んだりです。午前中、雨の止み間を見て、川沿いをウォーキング。ヌスビトハギ(盗人萩)の花がたくさん咲いていました。淡い紅色の小さな花をまばらにつけています。1つの花は3~4mm。その名に似合わない可憐な花です。ヌスビトハギの果実は、いわゆるひっ...

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祝儀袋に添えますか

日中も30℃を越えず、ずいぶん涼しくなりました。このまま秋になってくれるのでしょうか。道端のキンミズヒキ(金水引)です。タデ科に紅白の水引に似ているミズヒキがあります。その金色バージョンということでキンミズヒキ。でも、キンミズヒキはバラ科です。花びら5枚、雄しべ10本前後。花びらの間に5枚のガクが見えます。花は下から咲いていきます。↑この写真で左側が先に咲いた花。花びらを落とし、雄しべがクルッと丸まり、...

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ヒロシマの希望の花

1泊2日で広島に行ってきました。瀬戸内の豊島(広島県呉市)と能美島(広島県江田島市)の2か所で落語会です。2日目の朝、広島平和公園に立ち寄りました。やや盛りは過ぎていますが、まだキョウチクトウ(夾竹桃)の花が咲いています。「一瞬にして人も街も焼き尽くされたんよ。なぁんもかも消えたんよね」という下宿先のおばさんの言葉が何十年経っても鮮明に蘇ります。焦げ茶色の世界の中にこんな色の花が咲けば、誰だって嬉...

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フワフワの大鵯花

先日からヒヨドリバナ(鵯花)が咲き始めました。季節は確実に秋に向かって進んでいます。ヒヨドリが鳴く頃に咲くからヒヨドリバナだそうです。でも、ヒヨドリは年中鳴いています。白い糸状のフワフワ感からヒヨドリの頭の羽毛を連想したのではないかと、私は勝手に思っています。ヒヨドリバナには二倍体(2n)のものと三倍体(3n)のものがあって、これは3nです。2nのものより大きく、区別する場合にはオオヒヨドリバナ(大...

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植物名です、高三郎

面白い名前の植物を紹介します。その名はタカサブロウ(高三郎)。ま、ふつうに考えて日本人の男性名だと思いますが、植物名の由来はよくわかりません。水田の雑草です。畦に近いところによく生えていますが、ほとんど目立ちません。とっても小さい花で、直径1cm程度です。アップしてみると案外綺麗な花だと思います。勲章のようにも見えます。外周には白い花びらの舌状花、内側が淡い黄緑色の筒状花がびっしりと並んでいます。...

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秋の七草・葛

『葛根湯医者』という小噺があります。●「何?頭が痛い。それは頭痛やな。葛根湯をおあがり。次は?何?腹が痛い。それは腹痛やな。葛根湯をおあがり。次は?何?足が痛い。それは足痛やな。 葛根湯をおあがり。次は?」○「いえ、先生、こいつが足が痛いんで、私は付き添いです」 ●「何?付き添い。ご苦労さん。葛根湯をおあがり」 ^^葛根湯は、このクズ(葛)の根を乾燥させたものが原料です。私が子どもの頃は、毎日クズの葉や...

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溝隠しの鎌首

溝を隠すほど茂ることからミゾカクシ(溝隠し)。でも、最近の溝はコンクリートで固められていますから、なかなか溝を隠すほどには茂りません^^田んぼの脇で細々と生きている水田の雑草です。とってもユニークな形の花を咲かせます。花の大きさは1cm程度です。花びら5枚のうち2枚は横向きに、3枚は下向きです。多くの花は放射相称ですが、この花は左右相称。3枚の花びらと向かい合うようにヘビが鎌首をもたげたような構造が...

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道端の仙人草

車で走りながら、道路脇の林縁に白い花をたくさん咲かせた木を見つけてUターン。近づいて見ると、センニンソウ(仙人草)の花でした。つる性の低木です。なぜ仙人かというと、あと2か月半くらいしたらわかります。その頃、また撮影に行きたいと思います。変化が楽しみです。4枚の花びらに見えるのは真っ白なガクです。花の中央にちょっと黄色っぽい雌しべがたくさん。そのまわりに雄しべがたくさん。雌しべにアリがいました。蜜...

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藪蘭の小さな花

林床にヤブラン(藪蘭)のつぼみを見かけてからもう半月くらいになります。いつ見ても紫色の丸いつぼみが並んでいるだけでしたが、そのつぼみがやっと開花しました。ヤブランにはいろいろな園芸品種がありますが、これは野生種です。一斉に開花するわけではなく、下から順番というわけでもなく、ポツリポツリと開花していきます。だから花期は長いのですが、いまが満開という時期がありません。朝は閉じていることが多く、昼間、気...

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秋の七草・萩

神鍋山に登ってきました。山頂のヤマハギ(山萩)です。たぶん。ハギの仲間にはいろいろあって、園芸品種もあり、その交雑種もあってややこしいのです。ハギの中で最も一般的な野生種がヤマハギで、単にハギといえばヤマハギをさします。花期が長くて、7月から咲いています。いつが満開なのか、よくわかりません。昔から日本人はハギを愛でてきたんですね。万葉集で最もたくさん詠まれているのは、ウメでもサクラでもなくハギだそ...

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貴重な蜜源、藪枯らし

きのうのオモダカに続いて、きょうも嫌われ者を紹介します。ヤブカラシ(藪枯らし)です。つる植物でいろんなものに巻きついて葉を茂らせます。生命力旺盛で藪を覆い尽くして枯らしてしまうということからの命名です。ヤブカラシの花は目立ちません。開花後すぐに花びらを落としてしまいます。オレンジ色の部分は花びらではなくて、花盤とよばれる盤状の花托です。4枚の花びら、4本の雄しべはすでに落ちてしまい、花盤の中央に1...

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水田雑草・澤高

水田の雑草、嫌われ者のオモダカ(澤高)です。嫌われ者なのですが、家紋にも使われます。その点では人気者です。矢尻形の葉っぱがカッコいいのと、生命力があり逞しいということからでしょう。雄花と雌花があり、雌雄同株です。こちら↑は雌花。1つの株の下の方に雌花がつきます。小さな白い3枚の花びらの中央にたくさんの雌しべが集まっています。一方、こちら↑は雄花。雄しべがたくさんあります。雌花より上の方につきます。コ...

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臭木の作戦

クサギ(臭木)という名前は葉っぱが臭いからということからの命名です。しかし、恐るおそる葉っぱを揉んで匂いを嗅いでみても、特に嫌な臭いはしません。季節によるのでしょうか。気の毒な命名だと思います。花はむしろいい匂いがします。その匂いに誘われたのか、アゲハが訪花していました。残念ながら撮ることができませんでしたが・・・。クサギの咲き始めは、↑この写真の右側の花のように4本の雄しべがピンと伸びています。雌し...

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お盆に咲く狐の剃刀

林の縁にキツネノカミソリ(狐の剃刀)が鮮やかなオレンジ色の花を咲かせています。ヒガンバナの仲間で、地面からニョキッと花茎だけを伸ばしていて、葉っぱがありません。ヒガンバナは花が終わったあとの晩秋に葉っぱを伸ばしますが、キツネノカミソリは春に葉っぱを伸ばして夏には葉っぱを落としてしまいます。ヒガンバナは名前の通りお彼岸の頃に、このキツネノカミソリはお盆の頃に花を咲かせます。ヒガンバナのことを別名、キ...

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赤い果実2019・その3

香住海岸の三田浜は、遠浅でファミリー向けの穴場的な海水浴場です。そのビーチと駐車場の間のサンゴジュ(珊瑚樹)が赤い果実を実らせています。公園や街路にもよく植えられている樹木です。赤い果実から赤い珊瑚をイメージしたところからの命名でしょうが、どうもピンときません。もともと海岸沿いに多い樹木ですから自生しているものかもしれませんし、潮風に強いので防風用に植栽されたものかもしれません。ガマズミの仲間です...

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百日紅の作戦

散れば咲き 散れば咲きして 百日紅 (加賀千代女)狩人に 追いかけられて さるすべり (落語「魚の狂句」)夏から初秋まで長く花が楽しめるので「百日紅」とよばれますが、1つの花がずっと咲いているというわけではなくて、次々に新しい花が開いていきます。加賀千代女の観察眼は素晴らしい。クマバチが花粉を求めてやってきました。縮れた花びら6枚、雌しべ1本、雄しべがたくさん。つぼみの中に小さく小さく畳み込んで、...

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曲がったことは嫌いな沼虎の尾

このところちょっと太り気味だったので、減量することにしました。太っていない人が痩せるのは大変でしょうが、太った人が痩せるのは簡単です。ちょっと運動してちょっとご飯の量を減らせば痩せます。この5日間で1日平均0.2kgずつ、5日間で1.0kg減です。もう少し続けます^^きょうの運動は、山の畑の草刈りです。草刈り機で約2時間。いい運動になりました。畑の脇に湧き水が溜まる湿地があって、そこにヌマトラノオ(沼虎の尾)...

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花筏の黒い果実

「花筏」という古典落語があります。この噺で花筏は大坂相撲の大関の名前です。主役のはずの花筏は一言も発せず、そのにせものが活躍する滑稽噺です。この噺から四股名をもらった力士がいますが、この噺の元になった力士はいないようです。とすると、この噺の作者が四股名を思いついたことになります。水面に散った桜の花びらのことも「花筏」と言いますが、散ったものを四股名にするのは縁起が悪そうですので、もしかするとこの植...

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赤い果実2019・その2

道路脇の林縁に自生しているヤブデマリ(薮手毬)の赤い果実を見つけました。6月に花を咲かせていたのに、もう果実が赤くなっています。しかし、赤いのはまだ熟していなくて、秋になり黒紫色になったのが熟した状態です。ヤブデマリの花はガクアジサイに似ていて、小さな両性花のまわりに白く大きな装飾花があります。装飾花は結実しないので、目立たなかった両性花がいま赤い果実となって目立っています。ヤブデマリを園芸用に改...

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車軸のような車花

今朝も5時からウォーキング。きのうより涼しく感じました。川沿いの散歩コースをけっこうたくさんの方が歩いておられます。そんな中で花を見つけたら、しゃがみ込んで撮影。通りかかった方は何を撮っているんだろうと覗き込んで行かれます。特に珍しいというわけではありません。道端のクルマバナ(車花)です。花が輪生しているように集まって咲きます。本当は輪生しているわけではないのですが、そう見えるのでこういうのを「仮...

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日の出の前後の荒地待宵草

写真撮影とダイエットを兼ねて歩こうと思うのですが、何しろ暑すぎます。そこで、今朝は5時から散歩に出かけてみました。日の出はまだです。日中は開いていないアレチマツヨイグサがまだ開いていました。夕方から開きはじめるのは知っていましたが、朝の5時でもまだ開いているんですね。4枚の花びらの先端がちょっとへこんでいて、花びらがハート形になっています。花びらの間に隙間があるのがアレチマツヨイグサで、ないのがメ...

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森の妖精、蓮華升麻

言ってもしょうがないのですが、暑いです。きょうもまた体温超え。こういうときは見ていて涼しくなるような写真をと思います。森の妖精と呼ばれるレンゲショウマ(蓮華升麻)です。うつむき加減の清楚で上品な花もいいのですが、丸いつぼみが可愛いのです。ガクも花びらと同じような色合いで、花びらが二重になっているように見えます。但馬には、というより兵庫県には自生していませんので、植栽したものです。でも、毎年、夏には...

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矢車薄荷と虎丸花蜂

花を鯉のぼりの竿の先につける矢車に見立ててヤグルマハッカ(矢車薄荷)。北米原産のシソ科の植物です。日本で古くから薬草として利用されてきたそうです。ヤグルマハッカの1品種か、近縁種かよくわかりませんが、花の色が赤いのはタイマツバナ(松明花)とよばれます。松明(たいまつ)、英語で言えばトーチです。オリンピックの聖火ランナーがもつトーチのように見えなくもありません。ブンブンと力強い羽音を立ててトラマルハ...

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ジリジリと油蝉

きょうも気温が体温を超えました。ジリジリと照りつける陽射し。ジリジリジリジリと鳴くアブラゼミ(油蝉)の声が暑さを倍増させます。これが鳴いてました。だからこれは雄です。雄が鳴いて雌に自分の存在をアピールします。4~6年も土の中にいて、やっと明るい世界に出てきたのですから、ま、頑張って鳴きなさい。夜中にまで鳴くのは勘弁してほしいですけど。雌雄はひっくり返して腹部を見ないとわかりませんが、こちらは鳴いて...

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赤い果実2019・その1

落語では「人参」という生薬がよく登場します。「三枚起請」とか「文違い」などに出てきます。とにかく高額で庶民には手に入らない薬ですが、これさえあれば重い病気も治せるという扱いです。この「人参」は野菜のニンジンと違って、いわゆる「高麗人参」。中国の東北部や朝鮮半島に自生する植物です。和名はオタネニンジン(御種人参)といいます。徳川吉宗が朝鮮からその種を取り寄せ、各地の大名に分け与えて栽培を奨励したこと...

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アクロバット小雀

香美町の山の中で黒いベレー帽をかぶったようなコガラ(小雀)と出会いました。スズメよりも小さくて、体重は10g程度だそうです。葉っぱにしがみついて、ゆらゆら揺れながら餌を探してます。白いガでしょうか、くわえて素早く枝に移動して食べました。雑食性で果実や昆虫を食べます。この時期は昆虫が中心のようです。夏は亜高山帯の針葉樹林に棲むと言われます。でも、但馬ではそれほど高い山でなくても出会えます。すばしっこく...

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山中の草連玉

クサレダマと聞くと、誰しも「腐れ玉」と連想すると思うのです。しかし、そうではなくて、レダマ(連玉)というヨーロッパ原産の低木があって、この花が似ているということからの命名だそうです。レダマは江戸時代に日本に入って来て庭木に利用されたようですが、湿度の高い日本ではうまく生育しなかったようです。そのレダマを私は知らないのですが、黄色いというだけで全然似ていないのだとか。クサレダマ(草連玉)はサクラソウ...

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羽黒蜻蛉が絶滅危惧種?

散歩をしていると「きょうはやたら○○によく出会うなぁ」なんてことがあります。きょうのそれはハグロトンボでした。一斉に羽化したのでしょうか。木陰で葉っぱの上に止まっていて、近づくと一斉にひらひらと舞い上がります。10個体くらいが同時に乱舞し、すぐにまた葉っぱの上に落ち着きます。皆同じ方向を向いて止まります。私には感じられないような微風を感じて、風上を向いて止まります。↑こちらが雄。羽は真っ黒で、からだに...

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プロフィール

丹馬

Author:丹馬
落語と授業の合い間に生き物を中心とした写真を撮っています。
兵庫県の北部・中部がおもなフィールドです。

いらっしゃい!

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