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記事一覧

雨中の著莪

養父市八鹿町の今滝地区にシャガ(著莪)の大群落があります。京都府綾部市老富町の大群落には及びませんが、十分に観光資源になるのではないかと思います。 シャガは中国原産で、縄文か弥生かわかりませんが、かなり昔に日本に持ち込まれました。ところが、日本に持ち込まれたものは三倍体で、種子ができません。したがって、日本に生育するシャガはすべて遺伝的に同じクローンなのです。誰かが運び、植えたものです。 中国には...

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ブラシのような上溝桜

実験室のガラス器具の洗浄に試験管ブラシや瓶ブラシを使います。高校生の頃、このブラシの持ち方を「生物」の先生に厳しく指導されました。ブラシの柄を長く持つと試験管の底を突き破ってしまってケガをするぞ!・・・なんて脅されながら。この花を見ると、そんなことが懐かしく思い出されます。 山道の道沿いにウワミズザクラ(上溝桜)の花を見つけました。サクラの仲間とは思えない、ブラシ状の花をつけます。たくさんの小さな花...

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西南限の水芭蕉

日本のミズバショウ(水芭蕉)自生地の西南限、養父市大屋町加保坂に行ってきました。「夏の思い出」に♪夏が来れば思い出す・・・と歌われているミズバショウですが、当地でミズバショウが咲くのは4月下旬から5月上旬。いまが盛りです。夏が来れば花は終わってます^^ ミズバショウは種子で殖えますが、地下茎の栄養生殖でも殖えます。数個体ずつまとまって株立ちするのはそのためです。 中部地方以北の山に見られるミズバショウです...

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西宮を釣る

上方落語「阿弥陀池」は大好きな楽しい噺です。この噺に「体(たい)をかわす」を言うのに「西宮をかわす」から始まるクスグリがあります。「西宮」から「えべっさん」→「魚釣り竿」→「てぐす」→「浮き」→「重り」→「針」→「餌」を経て、やっと「タイ(鯛)をかわす」に到達するという、思いっきり持って回ったボケがあります。「タイを言ぉと思ぉて、ひとを西宮まで引っ張っていきやがんねん」で笑わせます。 この方式を適用する...

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高嶺の花

日本のシャクナゲ(石楠花)の1種のアズマシャクナゲです。 花びらは5裂、雄しべは10本です。近くの公園で撮りましたが、本来は本州中部~北部の山岳に自生しているシャクナゲです。高い山には可愛らしい小さい花が多いのですが、立派な大きな花を咲かせます。「高嶺の花」というのは、この花のことだという説にも納得です。 庭によく植えられているのはセイヨウシャクナゲ。シャクナゲの仲間はヒマラヤを中心に熱帯から亜寒帯ま...

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蕨の蜜

神鍋高原にワラビ(蕨)を採りに行ってきました。雨上がりのスキー場にはワラビがニョキニョキ。あまり歩き回ることもなく、短時間でスーパーのビニール袋に半分くらい採ってきました。 ワラビはシダ植物ですから、根・茎・葉の分化があります。でも、根と茎は地下にあります。地上に出ているのはすべて葉っぱで、茎のように見えるのは葉柄です。葉っぱの先は柔らかいのでクルッと丸まって、傷つかないように地上に顔を出して伸び...

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よっ、さっても綺麗ぇな

いつもの散歩道にトキワイカリソウ(常盤錨草)の花が咲いています。花の形はイカリソウとそっくりですが、イカリソウと違って冬も光沢のある葉っぱをつけています。イカリソウは太平洋側、トキワイカリソウは日本海側に分布します。我が家の近くで見られるのは赤紫色の花ですが、白色の花もあるようです。 船を固定する錨に似ているところからの命名です。しかし、我々がよく目にする錨は爪が2本です。イカリソースのマークの、...

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可愛い燈台躑躅

ドウダンツツジ(燈台躑躅)と言えば、但馬では安国寺の紅葉が有名です。秋の真っ赤に燃える紅葉も美しいのですが、春の白く可愛らしい花も魅力的です。 釣り鐘のような壺形の可愛らしい花がたくさんつきます。ツツジ科ではありますが、サツキ、レンゲツツジ、ミツバツツジなどのツツジ属ではありません。ドウダンツツジ属で、ツツジ属の花とはまったく違う形状をしています。 ドウダンツツジの小さな花には似合わない大きなクロ...

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実らない五葉木通

3日連続でアケビの仲間です。おととい紹介したのがアケビ、きのう紹介したのがミツバアケビ。きょうは、アケビとミツバアケビの自然雑種といわれるゴヨウアケビ(五葉木通、五葉通草)です。きのう紹介したミツバアケビの近くに4個体ありました。実は、このゴヨウアケビを先に見つけて、その隣にアケビ、さらにその隣にミツバアケビを見つけました。3種類のアケビの仲間が並んでいるのです。 小葉の数がアケビは5枚、ミツバア...

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赤紫色の木通

峠の道路脇にアケビとよく似た形の赤紫色の花を見つけました。ミツバアケビ(三葉木通、三葉通草)です。 きのう紹介したアケビとは違って花が濃い赤紫色です。そして、小葉の数がアケビは5枚ですが、ミツバアケビはその名の通り3枚です。葉っぱの縁に波状のギザギザがあります。アケビの葉っぱにはこのようなギザギザはありません。 雌花のほうが雄花より大きいのはアケビと同じです。雌しべがバナナのような形をしていて、先...

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花粉を運ぶのは誰?

これは1週間前のアケビ(木通、通草)の花のつぼみです。 アケビは雌雄同株ですが、雌雄異花です。つまり、同じ株に雌花と雄花が咲きます。上の写真の右側の大きく淡紫色の花が雌花、左側の小さい花が雄花です。先端に雄花がまとまってつき、基部のほうから長い花柄を伸ばして雌花がつきます。 今朝見ると、雌花も雄花も開花していました。花弁はなく、花弁のように見えるのは3枚のガクです。雌花には雌しべが6本前後。柱頭は花...

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春を告げるピンク色

山に春の訪れを告げるピンク色の花が目立つようになりました。ミツバツツジに似ていますが、当地にはミツバツツジはありません。ミツバツツジよりも葉っぱが小さいコバノミツバツツジ(小葉の三葉躑躅)です。 豊岡市但東町の「たんとうチューリップまつり」の会場から、京都府の加悦(かや)町に向かって車で5分ほど走ると、大師山(だいしやま)の登山口があります。ここに車を置いて山登りです。  20分ほど歩くとコバノミ...

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木五倍子のかんざし

いま山に行くと、キブシ(木五倍子)の花が目立ちます。日本の固有種です。たくさんの花が連なって垂れ下がり、舞妓さんのかんざしのようです。 キブシは先駆的な植物で、伐採跡地や荒れ地などにすぐに生えてきます。 雌雄異株で、雄株には雄花がつきます。雄花といっても、雄しべだけでなく雌しべもあります。雌しべのまわりに雄しべが8本あります。 一方、雌花は立派な雌しべがあり、雄しべはかなり小さく萎縮しています。花...

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但東の春の風物詩

豊岡市但東町畑山の「たんとうチューリップまつり」に行ってきました。平日にもかかわらず大勢の観光客が訪れています。見どころは展望台から眺めるフラワーアートです。 今年のフラワーアートは「チコちゃん」。10万本のチューリップで描かれています。全体では300品種、100万本のチューリップが植えられているそうです。たいていカタカナ表記の名前がついていますが、漢字表記の品種を5種類だけ紹介します。偶然かもわかりませ...

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高級楊枝の黒文字

宮中の女房詞(にょうぼうことば)に文字言葉というのがあります。言葉の頭の一音か二音に「~もじ」という言葉をつけたものです。かもじ(=髪)、ゆもじ(=湯具、浴衣、湯巻き)、そもじ(=そなた)などです。名詞だけでなく、おめもじ(=お目にかかる)なんて動詞にも使います。しゃもじ(=杓子)など、現代にも通じる文字言葉もあります。その一つではないかと、私は思っています。このクロモジ(黒文字)。 牧野富太郎さ...

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一輪草と艶扁虻

篠山市大山宮に行ってみると、イチリンソウの花が開いていました。 周辺にはニリンソウがたくさんあります。イチリンソウの数は少ないのですが、ニリンソウに比べて花が大きく目立ちます。 4月12日付の「紅を差す」で紹介したのは養父市のイチリンソウで、花弁のように見えるガクの裏側が淡い紅色を帯びているのですが、ここのイチリンソウは裏側も真っ白いものが多いようです。わずかに色がついているものもありますが、少数で...

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下向きの花の作戦

神鍋山に登ってきました。登山道の脇にナガバモミジイチゴ(長葉紅葉苺)の花がたくさん見られます。キイチゴの仲間の代表的な存在で、初夏には橙黄色の美味しい果実がつきます。 モミジイチゴは東日本に、ナガバモミジイチゴは西日本に分布すると言われます。その違いは葉っぱの形にあるのですが、↑この葉っぱが長いようには思えません。両者の区別がよくわかりませんが、西日本なので一応ナガバモミジイチゴにしておきます。 ...

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桜花爛漫

花冷えの影響もあり、今年のサクラはずいぶん長く楽しめました。 アブラナとソメイヨシノ。豊岡市日高町広井にて。いま、まさに満開。きょうあたりから散り始めました。 川面に映るソメイヨシノ。養父市八鹿町九鹿にて。最も美しく満開に見えるのは八分咲きの頃でしょう。まだ二分はつぼみという状態。 ライトアップされたシダレザクラ。豊岡市出石町内町にて。本当の満開はすべての花が開いた状態ですが、そうなるとはじめに開...

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紅を差す

いつもの散歩コースから5mほど入った林の縁にイチリンソウ(一輪草)が自生しています。教えてもらって初めて気づきました。道路から見えるところなのに見逃していました。「ボーッと生きててんじゃねーよ!」てチコちゃんに叱られそうです^^ 初夏には枯れる「春の妖精」(スプリング・エフェメラル)の代表的な存在です。イチリンソウの仲間はみんな上品で清楚です。ユキワリイチゲ、キクザキイチゲ、アズマイチゲ、ニリンソウ...

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へいくろう花

生野銀山のヒカゲツツジ(日陰躑躅)が見頃を迎えています。生野銀山の駐車場から金香瀬坑口の方向に約100mに渡って群生しています。ほぼ北に面した岩場です。一日中日陰ではありませんが、日照時間は少ない場所です。近畿地方で最大の群生地ということで、朝来市の天然記念物に指定されています。 いまは駐車場のところが見頃です。だんだん奥の方が見頃になっていきます。奥の方に入るには入場料(900円)が要りますが、いまな...

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春だけの出会い

「うちの庭にアマナの花が咲いたよ。撮るかい」と言われてお邪魔しました。でも、そこに咲いていたのはハナニラの花でした。調べてみたら、ハナニラの別名がセイヨウアマナ。まんざら間違いでもありませんでした。 セイヨウというもののハナニラは南米(アルゼンチン)原産。園芸植物として明治時代に日本にやって来たそうです。繁殖力が旺盛で庭から逃げ出して、あちこちで野生化しています。 英語では「スプリング・スターフラ...

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米粒のような桜花

ソメイヨシノが咲く前からユキヤナギ(雪柳)が咲いています。ソメイヨシノが散る前にユキヤナギの花が傷みそうです。 ソメイヨシノをバックに撮ってみました。ユキヤナギは公園や庭によく植えてあるのですが、自生地もあります。 自生地は岩がゴツゴツしている川沿いで、大水のときには濁流に洗われるようなところです。枝垂れたユキヤナギのあのしなやかさは、ときどき冠水するような環境への適応なのです。 コゴメバナ(小米...

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香りの桜

20歳代の頃には東京に住んでいましたので、夏にはよく伊豆大島に行きました。三原山の噴火がたびたび起こっており、何百年に及ぶ植物の遷移が一度に観察できる島です。照葉樹林帯ですので、樹木は常緑広葉樹ばかりかというとそうではありません。遷移の途中段階では、オオバエゴノキとかオオシマザクラなどの落葉樹が現れます。 オオシマザクラ(大島桜)の「大島」は、その伊豆大島のこと。日本の固有種です。ソメイヨシノの片方...

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白色の円山川堤防

円山川の下流にハマダイコン(浜大根)の花が咲く季節になりました。 堤防がハマダイコンの花で白く彩られ、春風に揺れています。 10数年前、この堤防はセイヨウカラシナの花で黄色に彩られていました。しかし、ハマダイコンが入り込み、白色の面積がだんだん増えてきて、いまはこの状態。黄色はほんのわずかに残っているだけです。白色が黄色を駆逐していったようです。 遠くから見ると白色に見えますが、近づくと花びらはう...

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一気に開花、染井吉野

きのうときょうのポカポカ陽気でソメイヨシノ(染井吉野)が一気に開花しました。 豊岡市日高町の国府桜づつみを歩いてきました。 円山川の堤防を補強する目的でサクラが植えられているのだそうです。サクラの下でシートを敷いてお弁当を食べている家族もチラホラ。女の子とお父さんと可愛い犬の組み合わせにほっこりしながらシャッターを切らせてもらいました。 こちらは養父市八鹿町の小佐川両岸のソメイヨシノの桜並木。↓1...

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慎ましくて個性的、春蘭

元職場の先輩にシュンラン(春蘭)が自生している場所を教えてもらいました。いつもの散歩コースの林の縁なのですが、よほど注意して見ないと見つけられません。実際、これまでまったく気づかずに通り過ぎていました。 シュンランは日本の代表的な野生ランで、春の妖精(スプリング・エフェメラル)の代表です。ひっそりと慎ましく咲いていました。下から見上げるとカッコイイのです。 それにしても面白い形の花です。紅紫色の斑...

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求む、他家の花粉

レンギョウが鮮やかな黄色の花を咲かせています。 よく公園などに植えてあるのはシナレンギョウ、あるいはチョウセンレンギョウ。これは枝垂れていないので、シナレンギョウです。この花には、ちょっと面白い秘密があります。 4枚に分かれた花びらの内側に雌しべと雄しべがあります。少し緑色を帯びたのが雌しべで、黄色いのが雄しべです。↑上の花では雌しべのほうが長くなっていますが、↓下の花では雄しべのほうが長くなってい...

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ピーチ色

子どもの頃、我が家では4月3日にお雛様を飾っておりました。「桃の節句」は七夕と同様に1か月遅れです。「端午の節句」はそのまま5月5日ですが・・・。 3月3日にモモの花を飾るなら、それはたいてい温室育ちのモモの花。旧暦のほうが理にかなっているように思います。ソメイヨシノが満開になる前にモモが満開になります。 桃色というのは、モモの花の色。英語でもピーチ(peach)という色名があるそうですが、それはモモの果...

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♪菫の花咲く頃ぉ~

サクラの季節は散歩をする方が皆、上を眺めて歩いておられます。でも、ちょっと足元も見て欲しいですね。スミレの仲間が可愛い花を咲かせています。 田んぼの脇の畦道に咲いていたノジスミレ(野路菫)です。たぶん。日本はスミレ王国と言われるほどスミレの種類が多くて、50~60種もあります。 花の後方につき出した距の部分が細長いし、葉っぱや花びらの周りが波打っています。だからノジスミレで間違いない…と、思いたいで...

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雌から雄へ、猩々袴

バイカオウレンの花期はそろそろ終わり、変わってショウジョウバカマ(猩々袴)が花盛りです。バイカオウレンと同様にショウジョウバカマも春の妖精の1つに挙げられることもあります。でも、夏に枯れるわけではないので、厳密にはスプリング・エフェメラルではありません。 花茎がすっくと立ち上がり、地表の葉っぱはロゼット状になっています。この葉っぱの重なりを袴(はかま)に見立てての命名でしょう。ショウジョウ(猩々)...

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