ミュラー型擬態
- 2020/05/23
- 21:00

ジャガイモの葉っぱの上で、ニジュウヤホシテントウを見つけました。頭に近い方から片側の前翅に、3・4・3・3・1と計14個の黒斑が並びます。両方で28個あるので、ニジュウヤホシテントウ(二十八星天道)。テントウムシの仲間の多くは、幼虫のときも成虫になってもアブラムシを好物としています。植物の汁を吸うアブラムシを退治してくれるので、農家や園芸家にとってテントウムシは益虫です。ところが、このニジュウヤホシテ...
貯食行動
- 2020/05/22
- 21:00

蜂蜜のことはよく知らないのですが、何の花の蜂蜜が人気なのでしょう。レンゲソウ、アカシア、トチノキ、ミカン、・・・それぞれ味が違います。人気の蜂蜜を3種類セットにして「三蜜」として発売したらどうでしょう。売れるかも^^このエゴノキの花の蜜も美味しそうです。我が家の庭のエゴノキの花が満開です。甘いいい香りがあたりに漂っています。真下を向いて垂れ下がった花に、朝早くからコマルハナバチやミツバチがやって来ます...
観察材料・雪の下
- 2020/05/21
- 21:00

いま、ユキノシタ(雪の下)の花が満開です。ユキノシタは原形質分離の観察材料としてよく利用します。山の沢沿いに生えていることが多いのですが、いつでも使えるように我が家の庭に植えています。例年なら5月頃、花の咲いている時期に使うので、授業で花も一緒に紹介できます。ところが、今年はまだ1回も授業ができていません。6月から学校が始まったとしても、ユキノシタの出番は7月頃になるのでしょうか。その頃には、もう...
先駆種
- 2020/05/20
- 21:00

休校状態が続く中、「高校生のための生き物学習」も4週間目に入ります。学習に役立つというだけでなく、できるだけ美しい写真をアップしたいと心掛けています。しかし、きょうの主役はなかなか美しいというような表情を見せてくれません。サクラの木に止まったサトキマダラヒカゲ。…ではなくて、きょうの主役は、幹にへばりついた灰色っぽい緑色のウメノキゴケです。コケという名前がついていますが、コケ植物ではありません。地...
風散布
- 2020/05/19
- 21:00

秋に紅葉が楽しめるイロハモミジですが、この時期も目を楽しませてくれます。新緑の葉っぱの上に赤く見えるのは、・・・・・花ではありません。イロハモミジの果実です。参考までに、↓こちらが花。花も赤いのです。1か月前に撮りました。↑左の写真の中に3つだけ両性花(雌しべと雄しべがそろった花)が見られます。他はすべて雄花。雄花には、右の写真のように雄しべだけが8本あります。イロハモミジには昆虫はやって来ません。風媒...
続・蜜標
- 2020/05/18
- 21:00

きのうのキリの花の蜜標に続いて、きょうはツツジの花の蜜標のお話です。林の縁にモチツツジ(黐躑躅)の花が咲いていました。葉っぱなどを触るとモチモチと粘り気があるのでモチツツジ。日本の固有種です。特に花の柄やガクの部分はとてもネバネバしています。ツツジを食べに来る昆虫から身を守るのに役立っているのでしょう。合弁花ですが、一応花びらは5枚です。上側の花びらに濃い赤紫色の目立つ斑点があります。これがモチツ...
蜜標
- 2020/05/17
- 21:00

淡い紫色のキリ(桐)の花が咲いています。この時期、ノアザミ、フジ、ニワゼキショウ、シランなど、紫色系の花が増えてきました。キリの花は一斉に開花するのではなくて、咲いている花も、これから咲くつぼみもあります。昨年の果実が半開きでまだ残っていますが、内部の種子はすでに風に乗って飛散しています。開いた花にコマルハナバチがやって来ました。花びらは筒状になっていて先は5つに分かれています。下側3つには濃い紫...
他家受粉
- 2020/05/16
- 21:00

道端にノアザミの紅紫色の花が咲いています。アザミの仲間はたくさんありますが、いまごろ咲いているのはノアザミです。植物の中にはエンドウやイネのように自家受粉をするものもあります。自家受粉は高い確率で受粉できますが、近交弱勢を招き、適応性を低下させる危険性があります。そこで、多くの植物は積極的に他家受粉を行い、遺伝子のバリエーションを豊富にしています。そのしくみをノアザミで見ていきます。ノアザミはたく...
里地里山
- 2020/05/15
- 21:00

生物の多様性を維持する上で、里地・里山の重要さが指摘されています。水田やため池、雑木林、原っぱなどは、人々が生活することによって形成され、維持されてきました。そこには里地・里山だからこそ生きる多様な生物たちがいます。例えば、ツバメたち。彼らはヒトと共に生きています。ヒトの近くで巣作り・子育てをすることで、カラスやヘビ、イタチなどの天敵から逃れられるのです。田植え前の田んぼに巣作りのための泥を取りに...
社会性昆虫
- 2020/05/14
- 21:00

ミツバチのように、1つの巣の中に女王蜂や働き蜂のような階層がある昆虫を社会性昆虫といいます。ミツバチが代表格ですが、スズメバチやアリ、シロアリにも見られます。でも、巣のメンバーは家族。女王蜂とその子どもたちです。人間の社会とはちょっと違います。そもそも何らかのルールがあれば社会なのです。モンシロチョウにだって社会はあります。そこで最近は、働き蜂のような「不妊の階層がある」という特徴にスポットを当て...