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獲物を運ぶ日本鼻高蜂

きのうのニッポンハナダカバチ(日本鼻高蜂)の続きです。
グランドで絶滅危惧Ⅱ類のハチを見つけて興奮気味に職員室で話をしました。
すると、野球部の顧問の先生が「ずっと前からいるよ! ヒメハナバチでしょ」。
陸上競技部の顧問の先生も「少なくとも9年前(赴任したとき)から! ときどき砂かけてた^^」。
私が気がつかなかっただけで、野球部や陸上競技部の生徒や先生たちはハチの存在を知っていました。
ただ、絶滅危惧の希少種だと知らなかっただけ。
ニッポンハナダカバチは海岸から遠く離れたこの砂場で、何年も逞しく生き続けているのでした。
ときどきスパイクで踏み荒らされながら・・・^^

IMG_2409.jpg

ハナダカと言っても天狗の鼻のように前に突き出しているわけではありません。
下向きに長く伸びています。その様子がよくわかる写真↑が撮れました。
鼻に見立てていますが、ほんとは上唇部です。ヒトで言えば鼻の下が長い^^
前脚が内側に湾曲していて、下向きにトゲのような剛毛が生えています。
これで勢いよく砂を後方に弾き飛ばします。

たくさんの雌たちが一生懸命に穴を掘っています。
その中に獲物を穴に運び込もうとしている雌がいました。
連続写真でご覧ください。

IMG_2451.jpg

獲物はギンバエのようです。前脚で砂を掘り、中脚で獲物をしっかり抱えています。
ジガバチなら獲物を脇に置いて穴を掘るのですが、ハナダカバチは獲物を抱えたままです。
こうすれば獲物を横取りされることがありません。
獲物は毒針を打たれていて麻痺しているのでしょう。身動きひとつしません。

IMG_2452.jpg

獲物は仰向けです。つまり、ハナダカバチと獲物の腹側どうしが向き合っています。
そのほうが引っかかりがなく、スムーズに穴に引っ張り込めるのだと思います。

IMG_2453_202007161454381af.jpg

地下の育房室に獲物を持ち込んで、これに産卵するようです。
卵からかえった幼虫の餌を用意しておくわけというです。
穴を掘っているときはたいてい5~8秒くらいで穴から出て来るのですが、このときは20秒以上穴から出てきませんでした。

IMG_2417.jpg

巣穴から出てきた雌は、前脚で周りの砂を巣穴の入り口に向かって跳ね飛ばします。
いろいろな方向から砂をかけ、巣穴の入り口をふさいでしまいました。

さて、この後はどうなるのでしょうか?
ジガバチならこれでおしまいなのですが、ハナダカバチの育児はまだ続きがあるようです。
観察を続けます。

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コメント

No title

ハナダカバチは最初の獲物に産卵し卵が孵化しないと次の狩りにはでかけません。孵化して給餌するのは5日間です。その後、幼虫は繭を作り餌を食べなくなります。

Re: No title

> みみさん
こんばんは。生物の進化はスゴイです。
ニッポンハナダカバチの生き方は、ミツバチのような社会性昆虫へと進化していく前段階と考えられています。
面白いです。見ていて飽きません。

No title

こんばんは~
前足が穴を掘るのに適していますね~
最初からなのか 進化したのかどっちでしょう?
どんな子育てかも 楽しみです~
うちの庭にはジガバチの巣がいっぱいあったのに
いつの間にかなくなりました💦

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Author:丹馬
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