人間の活動によって、本来生育していない地域に外から運ばれて定着した生物を外来種といいます。
道端には外来種がいっぱいあります。シロツメクサもヒメジョオンも外来種です。
そんな外来種の中で、特に生態系に被害を与える懸念のある生物を環境省がリストアップしました。
それが「生態系被害防止外来種リスト」で、全部で429種類の動植物の名があがっています。
その中で水生植物は37種類。そのうちの1つが↓これです。
キショウブ(黄菖蒲)です。ヨーロッパ原産で、明治時代に観賞用として日本に入って来ました。
畑や庭でも育ちますが、本来は水生植物ですので、水辺で繁殖力が旺盛になります。
河川に流出すると一気に勢力を拡大していきます。
我が家の近所の川で、一昨年2株だったキショウブがいまは↑この状態です。
環境省は栽培しても外に出さないように、野生化したものは積極的に除去するように呼びかけています。
しかし、↑こうなるとなかなか簡単には除去できません。
「生態系被害防止外来種リスト」の中で、特に人の健康や生態系の被害が大きいものとして、外来生物法という法律で「特定外来生物」が指定されています。
動物では、アライグマ、オオクチバス、カミツキガメ、セアカゴケグモなどです。
植物は16種類で、いま道端で咲き誇っている↓この植物がその代表的な存在です。
オオキンケイギク(大金鶏菊)です。北米原産です。
道端、河川敷などに急速に広がり、そのために在来種が減少したり、消失したりしています。
木曽川でオオキンケイギクを除去したところ、河原に固有の在来種が回復したという実績もあります。
特定外来生物は、飼育・栽培、保管、運搬、輸入、販売などが禁止されています。
家の敷地内にオオキンケイギクが生えていたら、すぐに根っこから引き抜いてください。
刈り取るだけでは根から再生しますので根絶できません。
花が咲いていて見つけやすく、種子をつくる前のいまがチャンスです。
私の住む地区では、区長さんにお願いして、クリーン作戦のときに中学生に引き抜いてもらっています。
おかげさまでその効果は大きく、他の地区よりオオキンケイギクはかなり減少しました。
外来生物法で決まっているので、厳密にいうと除去の方法はなかなか面倒です。
まず根っこから引き抜き、その場で枯死させます。法律で運搬・保管が禁止されているからです。
枯死したものは特定外来生物には該当しないので、運搬することができます。
種子をこぼさないように袋を二重にして、燃えるゴミとして収集所に出します。
さて、きょうの問題です。「生物基礎」のセンター試験レベルの問題です。
問 国外から人為的に持ち込まれた外来生物が引き起こす問題a~cについて、下のア~オの中から最も関連のあるものをそれぞれ1つずつ選びなさい。
a 農作物への被害 b 病気など人体への影響 c 在来生物の遺伝的な独自性の消失
ア コカナダモは、水中に繁茂して在来のクロモなどを抑圧する。
イ タイワンザルは、近縁のニホンザルと容易に交配する。
ウ ネズミホソムギなどのイネ科の外来牧草は、大量の花粉を飛散させる。
エ ブルーギルは、在来魚やその卵を捕食する。
オ オンシツコナジラミは、植物の病気の原因となるウイルスを媒介する。
きのうの問題の答え・・・呼吸で生じた二酸化炭素も固定されたため。
(外界から取り入れた二酸化炭素と呼吸で生じた二酸化炭素の両方を固定して、光合成に利用します。)
↓1日1回、ポチッとお願いします。大変励みになっています。
植物・花ランキングこのブログの写真の無断使用をお断りします。
- 関連記事
-
スポンサーサイト