ヤツデ(八手)は陰生植物の代表みたいな低木で、日陰でもよく育ちます。
以前は、駅とか公民館のトイレの脇には必ずと言っていいくらいヤツデが植えられていたものです。
1つはトイレの目隠しのためですが、他にもう1つ、重要な理由がありました。
それは、ヤツデの葉っぱを刻んで便槽に落とし、ハエの幼虫(ウジ)退治に使っていたからです。
ヤツデには申し訳ないのですが、私の頭ではヤツデと汲み取り式便所がいつもセットになっています。

ヤツデの葉っぱはたいてい8つの切れ込みがあって、ココノツデというべきものが多いようです。
7つや11のものもありますが、8つのものは滅多にありません。
四つ葉のクローバーを探すような気持ちで8つのヤツデを探してみてください。
見つけると、幸せ(な気分)になれます。
ヤツデの花には雄花と両性花があります。
両性花では雄性先熟で、まずは雄しべが成熟し、その後、雌しべが成熟します。
ヤツデの花期はもうそろそろ終わりですので、いま見られるのはほとんどが雌性期の花です。
雌しべが5本飛び出しています。蜜を出して昆虫を誘います。
冬でも、きょうのような天気のいい日には、ハエやアブが活動します。
他に花を咲かせている植物は少ないので、ハエやアブはヤツデに集中します。
したたかなヤツデの作戦です。
それにしても、ハエの幼虫を殺すために使われていたヤツデの花粉をハエが運び、その繁殖に貢献しているとは…。
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